教えてくれたのは……庄野晴美さん
心理カウンセラー、メンタルコーチとして、カウンセリング・コーチング・企業研修などを実施。「感情のコントロールができない」「パワハラを恐れて叱れない」という企業からの相談依頼の増加を受け、2023年にアンガーマネジメントの資格を取得。上司のための正しい叱り方やパワハラ研修などの依頼に応えている。株式会社COCOHARELISS代表。
40代女性のリアルなパワハラ体験談
心理カウンセラーとして、メンタルコーチとして、数多くのカウンセリングや企業研修などを手がけている庄野晴美さんのもとには、40代女性からさまざまなパワハラ相談が寄せられるといいます。
たとえば、10年以上の社歴がある女性からは、こんな相談を受けたことがあるのだそうです。
「あるプロジェクトがあり、上司に自分の意見を提案したが、次の日にはチーム全体で決まった事案として処理された。しかも、自分の提案はなかったことになっていた。その後のプロジェクトの進行や決定において無視され、孤立する立場においやられそうになった」
ほかにも、このような相談を受けることもあるといいます。
- 「チャットグループから外され、別のグループを作られて、情報がまわってこない」
- 「子育て中だから、重要な仕事は任せられない、雑用だけでいいといわれた」
- 「『その年齢で子どもを産むのはきついよ、ほかに楽しみを見つけたら?』と言われた」
- 「明らかに過剰な仕事量を指示され、しかも残業はせずに定時に帰るようにうながされた」
やりがち!パワハラを受けたときの「3つのNG行動」
先に挙げたような経験をすると、気持ちが乱れて、どう対処していいかわからなくなってしまうかもしれません。パワハラを受けたときにやってしまいがちなNG行動として、庄野さんは次の3つを挙げています。
- 誰にも相談せずに一人で抱え込むこと
- 我慢すること
- 反射的に行動すること
庄野さん 「同僚や上司に相談することもあるとは思いますが、相手の受け取り方次第では、相談者の思いが上手く伝わらず、思わぬ方向にいってしまうこともあります。中立的に判断できる人に相談するといいでしょう」
パワハラを受けたときにやるべき3つのこと
では、パワハラを受けて心がつらくなったときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。庄野さんに教えていただいた3つの対処法をシェアします。
《パワハラを受けたときの対処.1》自分自身を大切にする
睡眠や食事、適度な運動など、身体的な健康を維持することが大切です。いつも以上に自分をいたわってあげましょう。
《パワハラを受けたときの対処.2》リラックスできる時間を確保する
ストレス軽減のためにも、趣味や興味のあることなどをして、リラックスできる時間を確保しましょう。
《パワハラを受けたときの対処.3》誰かに話す・相談する
自分自身の感情をおさえずに、家族や友人、または心理カウンセラーなどに相談しましょう。誰かに話すことで、心を解放できるかもしれません。
また、人事部や労働組合などのサポートを受けることも考えてみましょう。就業規則や法律を確認して、弁護士や労働法の専門家へ相談するのも一案です。
「これってパワハラ?」と思う出来事があったときは、我慢して一人で抱え込んだり、衝動的な行動をとったりせず、自分をいたわり、中立的な立場の人に相談することが大切なのですね。万が一のときのために、庄野さんに教えていただいたポイントを心に留めておきましょう!