春の体をととのえる、あさり
一年中あるあさりですが、美味しくなると言われているのは春と秋。これからの季節は潮干狩りも人気ですが、まさにあさりがおいしく、栄養も高まっている時期です。
あさりの代表的な栄養は、カルシウムやカリウムなどのミネラル分。女性に嬉しい鉄分や、貧血に効果があると言われるビタミンB12も豊富です。
春に何よりも嬉しいのは、肝機能を高めるタウリン。肝臓は栄養素の代謝や有害物質の排出にも大きな役割を果たす臓器。デトックスを進めたい春には積極的にとっていきたい栄養素です。
あさりを美味しく食べる、江戸の知恵
東京湾でとれるあさりをさっと煮込んでごはんにかける深川めしは江戸時代から続く、江戸前料理の代表です。
あさりの重要な栄養であるタウリンやビタミンB12は水でゆでると溶け出してしまうため、汁ごと食べることができる味噌汁やスープにするのが効果的。
ごはんにぶっかけて汁ごと食べる深川飯も、栄養面でも優れた食べ方なのです。
また、油揚げを入れるのもポイント。
たんぱく質を組み合わせることで栄養の吸収がアップします。
深川めし(調理時間 5分)
材料(4人分)
ゆであさり……150g
油揚げ……2枚
わけぎ(小ねぎ)……4〜5本
だし……600ml
味噌……大さじ3
みりん……大さじ1
醤油……小さじ2
ごはん……4膳分
作り方
1. 油揚げはタテ半分に切り、1cm幅に切る。
ねぎは3〜4cm長さの斜め切りにする。
2.鍋にだしを温め、あさりと油揚げを入れる。
3.味噌、みりん、醤油を加えて味をととのえる。
ごはんにかけるので、普通の味噌汁よりもやや濃い目に。
4.最後にねぎを加え、さっと火を通して火を止める。器に盛ったごはんの上にかける。
味噌はゆっくりお風呂に入れる感覚で
味噌はいきなりお湯に入れても溶けづらいですが、おたまに入れて少しお湯につけておくと自然とゆるみ、がんばらなくてもするりと溶けてだしになじんでいきます。適量をはかったおたまを少しお湯につけて、温めてあげるようにしましょう。
味噌だけだと味噌汁の味になってしまうので、ほんの少しの甘みをみりんで加え、醤油で味を引き締めるのがポイントです。
うんと疲れてしまった日におすすめ
「晩ごはんも考えたくない!」というくらい疲れてしまった日には、外食やレトルトよりも、ささっと作れる深川飯を。
あさりのやさしいだしと味噌の旨みが疲れた体にしみこみます。
朝ごはんにも、お酒のシメにもぴったり
肝機能をととのえてくれるタウリンが豊富なので、シメのお茶漬け代わりに食べれば、悪酔いせずにすみます。
二日酔いの朝にももちろんおすすめ。あさりのだしが、体にしみこみます。