自分がどんな親でありたいか、ありたくないか
ぼくは普段、いろんなご家族の家事育児シェアの相談を受けているのですが、ぼく自身が9歳の娘を持つひとりの親でもあります。
そこで大事に考えているのが「子どもにこうなってほしい」という視点ではなく「自分はどんな親でありたいか、ありたくないか」ということ。すると思い浮かぶのが「毒親にはなりたくないな」ということ。
子どもにとっても、ぼく自身にとっても、辛く苦しく、家族を不幸せにしてしまうのが「毒親」であるなら、そうならないために気をつけようと思っていることが5つあります。
ポイントは「子どもをコントロールしようとする親にならない」です。
1.子どもの人生を親の成功のために使わない
「子どもの成功」って親としては誇らしいものです。
でも、子どもの成功をあたかも「自分の成功」のように思ってしまったり、自分の成功のために子どもの人生を使うようなことは、絶対にしてはいけないなと思うのです。
わが子の才能を伸ばしてあげたい、という気持ちが先走って子どもの人生を置き去りにしてしまったり、「何としても、この学校に入れてあげたい」と親のほうが子どもより受験に夢中になっている姿って、第三者の目から見るとよく見えるものです。
また、そうして子どもが成功したときに、その成功をあたかも自分の成功のように自慢するのもよくありません。
子どもの成功は心から喜びながら。でも、その成功を手にしたのは子ども自身であることを見失ってはいけないなと思っています。
2.子どもの言葉を勝手に代弁してしまわない
子どもって(子どもに限らずですが)自分の考えていることを、言葉にして伝えるのはかなり難しい。
だから親が子どもの言葉を補完してあげることってよくあると思うのですが、気をつけているのは「勝手に代弁」してしまわないこと。
子どもが答えた言葉に対して、親としてどうしても納得できないことがあります。そんなときに「本当はこう思ってるんでしょ」「こうなはず」と勝手に決めつけてしまったりということがあります。
それが行き過ぎると、子どもが自分の言葉を作り出すチャンスをうばってしまいます。それは自分で考えることの放棄に繋がる可能性もある。
だから子どもの言葉をそのまま受け取ることってとても大事だし、こちらで勝手に代弁してしまわないように気をつけています。
3.子どもに「将来のため」と言って「今」を犠牲にさせない
子どもをコントロールする言葉として「将来のため」があります。
もちろん将来のため、は大事なのですが、それによって「今」を失ってしまうのはあまりにモッタイナイ。子ども時代というのは、生きていくことへの責任を問われず、好きなだけ好きなことにのめり込んだり、自由に世界と触れ合える大切な時期です。
親の想定する未来なんて小さな範囲で、その「今」を奪ってしまわないようにしたいと思っています。
4.子どもを「あなたのため」と言って追い詰めない
「あなたのため」と言うのも、子どもをコントロールしようとするズルい言葉だなと思います。そう言われてしまうと、子どもは特に言い返すことができません。
だから「誰もそんなこと頼んでない!」なんて反発を受けてしまったりする。また「あなたのため」という言葉は「あなたのせい」と受け取られてしまうこともある。
「将来のため」と同じく、子どもをコントロールするような言葉はなるべく使いたくないと思っています。
5.子どもが自分で自分の人生を切り開く力を心から信じる
子どもって頼りなく、できないことも多く、「このくらいはできるはずなのに」なんて思うこともあります。
でも、あせらない。いま、他の子と比べて少し早く、上手に何かができることよりも、わが子がこの数ヶ月、1年でどれだけ成長したかに目を向けていたいと思っています。
親がアレコレ言わなくても、子どもは自分で人生を切り開いていく力を持っている。
親だからこそ、誰よりもそれを信じてあげたいと思います。