小学生以降は、丁寧に信頼関係を育む
「嘘ついてごまかそうとするのは良くないよ」
子どもが何かをごまかしたり、嘘をついたりすれば、僕は必ずそう言って叱ります。
入っちゃダメと言われてるところに勝手に入っちゃったとか。友だちとの食事代として渡していたお金で、クレーンゲームをやっちゃったとか。歯を磨いていないのに、歯磨きしたとか。ささやかな嘘かもしれないけど、やっぱりごまかして逃げようとするのは良くない。
ところで、親である僕自身は子どもに「嘘」をついていないだろうか。
……じつは付いてしまうことがたまにある。
「遊んでくれるって言ってたよ!?」
「(ああ、そうだった、でも仕事が終わってないんだよなぁ)……そうだっけ? 明日のことじゃない?」
「YouTubeの時間終わっちゃった! パパ! なんかして遊ぼう!」
「あー。今日はもう少し見てもいいよ」
なんて具合に。
嘘というか、「自分の都合に合わせて、適当なこと」を言ってしまう、という感じだろうか。
でも、あるとき子どもとした約束がなあなあになってしまっていることに気が付いた。
建前としての約束はあるのだけど、親子ともに約束を守ることにコミットできていないのだ。
それは小さなほころびだったけど、このまま放っておいたら大変なことになるかもしれないと思った。
嘘をつくほど、失われる信頼関係
一つひとつは小さな嘘や、ごまかしかもしれない。でも、それを繰り返すことで確実に信頼関係が失われていくと思った。
小学校低学年くらいの頃ならまだ、「親」というだけで「正しい」と思ってくれるかもしれない。
けど、そんなまやかしは長続きしない。徐々に親だから正しいなんて幻想はなくなって、人間同士の関係になっていく。
「パパは色々言ってるけど、約束守らなくても大丈夫」
「パパは適当なことばっかり言うから、このルールも適当でいいや」
嘘や適当を積み重ねたことで失われた信頼は、子どもが思春期になるころには、こんな風に思われるようになっているかもしれない。
「約束」とは、お互いの信頼関係があってはじめて成り立つものだ。
それは、たとえ親子の間であっても関係ない。「親子だから許される」なんてものに頼っても失うものが大きすぎるだけだ。
親子の信頼を育む3原則
子どもが小学1年の頃に、そう思った僕は以下の3つに気をつけている。
- 嘘や適当なことを言わない
- 簡単に約束をやぶらない
- 正直に謝る
1.嘘や適当なことを言わない
これはコミュニケーションの基本とも言える。
つい面倒くさくなって適当なことを適当に言ってしまいそうにもなるけど、自分が発した言葉への責任を持つことは人として大切なことだと言い聞かせる。
2.簡単に約束をやぶらない
自分にとってはなんてことのない約束だったとしても、相手にとっては大切な約束だったりもする。
とくに子どもは、自分の裁量権で行動できる範囲がまだまだ少ない。親の許可や約束がないとできないことがたくさんあるのだ。
そのことを忘れないように、簡単に約束をやぶらない。
3.正直に謝る
それでも、約束を守れなかったり、忘れてしまったりすることだってある。そうしたらごまかさず、嘘をつかず、正直に謝る。子どもだからって、適当にごまかしたりはしない。
自分が失敗をしてしまったとき。まっすぐに謝ることの大切さを子どもにも伝えたいし、ちゃんと謝りあい、許し合える親子でありたい。
この3原則を親子共に一生懸命守るようにしています。
親が嘘つきなら、子どもは親を信頼しなくなる。
子どもに何かをやらせようと躍起になるより、自分が信頼できる人であることが先。育児としてはとっても大切なことではないでしょうか。