教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
メンタルが強い人に共通する「悩みとの向き合い方」
メンタルが強い人は、自信がある人だと思っていませんか? 実は、それだけではなく、悩みとの向き合い方が上手だという共通点があるのです。
メンタルが強い人に共通する、悩みとの向き合い方をご紹介します。
1.悩んだときこそ、ポジティブな面を見つけていく
メンタルが強い人は、ポジティブな側面を見つけるのが上手な人でもあります。
私たちは悩みがあるときに不安モードになり、その悩みに備えるために他の不安要素を探してしまいがちです。これは脳のクセのようなものなので、切り替えることができます。悩んだときこそ、ポジティブな面に目を向けてあげると、さまざまな発見があります。
実例を挙げると、ある方は失敗が続いて自信を喪失し、次もまた誰かに迷惑をかけてしまうのではと不安に押しつぶされそうになっていました。そんなときにポジティブな面を探してみたところ、周りの人たちがサポートしてくれたことや、落ち込んでいて十分にお礼を伝えられていない自分に気づいたのだそうです。
これまでも多くの人に支えてもらっていたことを思い出し、「明日お礼を言おう」「みんなのためにも頑張ろう」と、周りの人たちに対する感謝の気持ちが湧いてきたとのことでした。
小さなことからでもよいので、柔軟に切り替えられる習慣を身につけられると、問題を乗り越える経験ができます。それによって新しい発見をすることができ、自己啓発書で見かけるような「ピンチな時こそチャンスだ!」と捉えられるようにもなります。
またポジティブ思考は、ストレスを軽減させることも分かっています。ひとつずつ練習すると、誰でもポジティブな要素を探せる自分へと変化させることができるのです。
2.問題の解決に集中している
悩みやすい人は頭の中でぐるぐると考え続けてしまい、答えを見つけられずに不安になってしまうもの。この状態では「なぜこのような状況になったのか」と原因を探り、自分を責める思考パターンに陥ることが多いのです。
原因を考えるときの思考は、“過去”にフォーカスされており、すでに起こってしまった変えられないものを責めていることになります。過去は変えられないため、よりストレスがかかってしまいます。
メンタルが強い人は、問題の解決に集中して行動に移します。過去ではなく、“未来”にフォーカスをあてているので、自分に主導権がある感覚があり、不安に引っ張られなくて済むのです。
問題解決への集中はストレス軽減に効果的で、心の健康に良いことも分かっています。脳には、質問を投げかけると答えを探そうとする性質があるため、解決へと導く道筋も見えてきやすくなるはずです。
3.周囲にサポートを求める
メンタルが強い人は、自分一人で悩みを抱え込もうとせず、周囲のサポートを気持ちよく受け入れます。
悩みがちな人は 「自分で完璧にこなさいといけない」という思い込みを持って負荷をかけてしまうケースが多いのです。社会的サポートは、ストレスの緩和に効果的なことが分かっています。
また、会話をすることや意見を聞くこと、誰かに相談することで信頼関係を構築することができ、自分の盲点にも気づけます。ことわざに「三人寄れば文殊の知恵」とあるように、人とのつながりは知恵も世界も広げてくれます。相談やサポートをうまく活かしていくと、より充実した毎日を送れるようになるでしょう。
ここまでご紹介したように、自信の有無関係なく、悩みと上手に向き合うことはメンタルの強さを育てることにもつながります。ご紹介した3つのコツをぜひ実践してみてくださいね!