教えてくれたのは……三村 浩章さん
合同会社サステア代表。滋賀県彦根市の美容室 hair make/COURを経営している。
これまで美容師として約12万人以上のお客様と向き合ってきた経験をもとに、さまざまな髪悩みに対応したアドバイスをおこなう。お客様のヘアスタイル、ライフスタイル、ダメージや髪質を考え、最適なシャンプー・トリートメントを選ぶ専門知識を持つ「シャンプーソムリエ」の資格を保有している。
年齢を重ねるにつれて「髪」は変化する
40代を過ぎると、老化が進行して“エイジング”と呼ばれる症状が髪に現れます。このエイジングになると、下記のような悩みを感じやすくなります。
- 白髪がちらほら出てくる
- ハリがなくなる
- 分け目のボリュームが少なくなる
- クセが強くなるなど
意外と知られていないかもしれませんが、エイジング世代は髪のクセが強くなる傾向があります。一般的なものとは異なり、鋭角に曲がった特有のクセが現れることが特徴です。このクセの場合、触ったときに、ジャキジャキとしたようなゴワつきを感じることもあるのではないでしょうか。
実際に、たくさんのお客さまから「昔よりも手入れがより難しくなった」という声を多くいただいています。
髪のエイジングが起こる「2つの原因」
髪のエイジングは、主に2つの原因が考えられます。年齢を重ねても健やかで美しい髪を保てるように、まずは原因を知っておきましょう。
1.タンパク質の不足
髪の主な成分はタンパク質です。髪は血液から栄養を受け取るため、タンパク質が不足すると髪に行き渡りにくくなります。
また、頭皮には筋肉がないため、重力によって360度引っ張られ、特に頭頂部の頭皮がつぶれやすくなります。頭皮がつぶれると、血流が悪くなって栄養が行き渡りにくくなり、結果としてエイジングが進行してしまうのです。
2.頭皮フローラのバランスが崩れる
腸活において「腸内フローラ」という用語がよく登場しますが、頭皮にも同様の「頭皮フローラ」が存在することが、株式会社ミルボンと東京大学の共同研究で発見されました。
頭皮フローラに存在する3種類の主要な常在菌のバランスが崩れると、エイジングが進行する可能性が高いとされています。その対策として、頭皮フローラを調整するヘアケアアイテムも登場していますよ。
髪を結ぶ習慣がある人は、とくに要注意
特に髪を結ぶ習慣のある人は、「結びグセ」がつきやすく、クセが強まる傾向にあります。後頭部のあたりにクセが出ている人は、これに当てはまると思います。
髪の表面はブラシで真っ直ぐになりますが、内部は絡まっていませんか? 汗をかくと塩結合(イオン結合)が生じ、パーマのようにクセがついてしまうのです。
基本的には、結ばないようにすれば改善されることもあります。難しい場合には、ストレートパーマをかけるなどでクセを直すとよいかもしれません。
髪のエイジングに加えて、さらに悩みが増えるのが梅雨シーズン。次回以降の記事では「梅雨にクセが出る原因と対策」について、ご紹介します。