「息子はちょっと面倒くさい恋人みたい(笑)」安達祐実さんが語る“家族・友達・健康”

カルチャー

2024.05.30 更新

「第1回anan猫マンガ大賞」の大賞受賞作『三日月とネコ』の実写映画に出演している安達祐実さんにインタビュー。映画の裏側に加えて、家事、育児、仕事にフル回転の日々のこと、健康&美容についてもお話しを伺いました。

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安達祐実さんインタビュー

安達祐実『三日月とネコ』主演・安達祐実さんに映画とライススタイルについて伺いました

映画『三日月とネコ』は熊本地震をきっかけに同じマンションに住む書店員の灯(安達祐実)、精神科医の鹿乃子(倉科カナ)、アパレルショップ勤務の仁(渡邊圭祐)が出会い、やがて共同生活をすることになる物語です。

―年齢も職業も違う、少し不器用な大人たちが、ネコ好きという共通点で繋がっていく……という、とても癒し効果抜群な作品ですね。依頼を受けた決め手を教えてください。

安達祐実さん(以下、安達さん):私はこういうほのぼのとした作品の出演経験があまりなかったので、オファーをいただいたときはうれしかったですし、原作漫画も読ませていただき、とても素敵なお話しだったので出演を決めました。

―安達さんが演じた灯さんは、真面目な書店員の女性ですが、キャラクターについて教えてください。

安達さん:普通の生活を大切にしながら生きている女性です。変わっているところはないのですが、独身であることで世間体を少し気にしている一面があり、年齢的に肉体的な衰えも感じている……といった役柄です。

でもそういう面は、灯と同世代の女性にとって、よくあることだと思うんです。ただ彼女は背負わなくてもいい後ろめたさを感じながら生きていると思いました。

―灯役に共感できましたか?

安達さん:自分さえ我慢すればうまくいくと思ったり、必要以上に責任を背負おうとしたりすることは誰にでもあると思います。私にも多少なりともそういう一面もありますから、そこは共感できるし、この映画を見てくださる方にも共感していただけるんじゃないかと思います。

マネージャーとは友達みたいな関係

『三日月とネコ』出典:mikazuki-movie.com(C)2024映画「三日月とネコ」製作委員会 (C)ウオズミアミ/集英社

―灯、鹿乃子、仁、3人の距離感がとてもよかったです。踏み込み過ぎず、でも離れ過ぎず、とても心地よい関係を保っていて。3人のような心地よい関係の友達エピソードがあったら教えてください。

安達さん:友達が多い方ではないんですが、心地よい関係で言うと、ふたりのマネージャーさんですね。

プライベートでも一緒に出かけるくらい気が合うんですよ。オフの日でもお互いに「ちょっと買い物行かない?」とか「お茶しない?」とか気軽に言える関係です。仕事仲間だけど、友人みたいな感じもあって。映画の3人をもう少し淡白にしたような感じかな。とても居心地がいいです。

―大人になってからの友達作りって、結構難しかったりするじゃないですか? 安達さんは先ほど友達は少ないとおっしゃっていたけど、自分から積極的に話しかけたりしない方ですか?

安達さん:若い頃は、自分から話しかけたりできなかったのですが、大人になるにしたがって、自分がオープンマインドでいると、みんなと仲良くできることに気づきました。いまの方が積極的に人と関わろうとしていますね。

『三日月とネコ』出典:mikazuki-movie.com(C)2024映画「三日月とネコ」製作委員会 (C)ウオズミアミ/集英社

育児に完璧は求めない。適当も大事

安達祐実(C)2024映画「三日月とネコ」製作委員会 (C)ウオズミアミ/集英社

―saitaの読者は働くお母さんが多いのですが、安達さんもふたりのお子さんを育てながら家事と仕事を頑張っていらっしゃいますよね。両立は大変だと思いますが、工夫されていることはありますか?

安達さん:やっぱり時間のやりくりが難しいですね。毎日の就業時間が決まっている仕事ではないので、子ども達が学校へ行く前に私が仕事に出ることもあります。そんなときはシッターさんにお願いするなど、周囲の助けを得ながらこなしています。

家事、育児については完璧を求めず、適当でもいいかなとも思っているんです。

―適当でいいとは?

安達さん:完璧にやろうとしても私にはできないと思うので、少し自分を甘やかしてもいいんじゃないかと。今日中にやらないといけないことは絶対に出てくるので、それはマストでこなしつつ、今日じゃなくてもいいことは翌日に回す。「あ〜、昨日やっておけばよかった」と思うことはあるけれど、それは自分の匙加減で。パーフェクトを狙わないことも大事かなと思います。

洗濯物出典:www.photo-ac.com写真はイメージです

―なるほど、余裕を持たせた方が、気持ちも楽ですよね。ご自身の中で育児の決めごとはありますか? こういうことは言わないようにしようなど。

安達さん:そのときの気分で怒らないことです。自分がイライラしているからって、小さなことで子どもを怒ったりするのはよくないと思うので、そこは自分を律しています。でもそんなに難しいことではないんですよ。うちの子たち、私を怒らせることをしないので(笑)。

―すごくいい子たちですね。でも一番上のお嬢さんが思春期の頃などは、難しくなかったですか? 

安達さん:ちょっと苛立っているかなと感じることはありますね。そういうときは、そっとしておくか、逆に無駄にベタベタしてみるとか(笑)。でも本当にいうことを聞かなくて困るということはないです。親が適当だと、子どもはしっかり育つのかもしれません(笑)。

息子は、ちょっと面倒くさい恋人みたい(笑)

安達祐実息子さんと娘さんとは、とても仲良しという安達さん

―男の子と女の子がいらっしゃいますが、やはり全然違いますか? 違いはどういうところにありますか?

安達さん:息子は比較的、家で過ごすのが好きな大人しいタイプです。工作が好きで、トイレットペーパーの芯や段ボール箱を取っておけば、それで何かを作ったりしています。最近は、友達と公園に行ったりもするので、外遊びと家遊びのバランスが取れていますね。

あと、息子はすっごく甘えん坊です。愛情表現も言葉できちんと伝えてきます。

―同性と異性では母親との接し方が違い、男の子の方がママに甘える傾向があるように思います。

安達さん:息子は毎日「好きだよ、愛しているよ」と何度も言ってくれるんです。それに対して私が「ああ、そう」と、わざと少し意地悪な返事を返すと、「え〜、ママ、僕はいま好きだよって言ったのに!」と言っています。「ママも大好きだよ」って言わないと納得できないみたい。ちょっと面倒くさい恋人みたいです(笑)

―かわいい!娘さんはどう接してくるのですか?

安達さん:娘は弟への対抗心か、最近、やたらベタベタしてきます(笑)。もう18歳なのに……(笑)。困っているのはそれくらいです。

―それはうれしいことじゃないですか〜。

安達さん:ノロケみたいですね(笑)。

サプリを飲んで健康管理をするように

安達祐実サプリや先輩俳優のアドバイスで健康管理しているそうです

―俳優の仕事は体力勝負の一面もあるので健康管理が大変だと思うのですが、安達さんは健康維持のためにしていることはありますか?

安達さん:子供がいると自分のことは後回しになってしまうので、調子悪いなと思っても無理して家事をやって、悪化させたりすることも……。でもそれは仕方がないと受け入れています。

ただ若い頃のように気力で乗り切ることができなくなっているので、血液検査をして、鉄分が足りないと診断されたときはサプリを摂取するなど、気をつけるようになりました。

あと先輩俳優のお姉様方から「祐実ちゃんくらいの年齢になったら飲んだほうがいいよ」と女性ホルモンの変化に効果的なものなど、勧められたらを飲んでみたり(笑)。

サプリメント出典:www.photo-ac.com写真はイメージです

―いろいろ試しているんですね。

安達さん:冷たい飲み物を飲まなくなり、常に温かい飲み物をいただいています。いま、仕事の合間で少しお腹が空いたとき、これまでだったらお菓子を食べていたけれど、いまは塩おにぎりを持参して食べています。「今日の私の胃腸は大丈夫かな」と、自分の体と向き合うようになりましたね。

―スキンケアなどは気をつけていますか?

安達:これまでズボラで何もしてこなかったんです。自分のメンテナンスに時間を割けないタイプで、だったら別のことをしたいと思ってしまって。

でも年齢的にも肌が荒れたりすると、やはり何かしなければという気持ちになりまして……。とはいえ、どんな化粧品がいいのかわからない。そんなときに縁あって、化粧品開発チームと基礎化粧品を作る機会をいただきました。「Upt」というスキンケアアイテムのプロデュースをしまして、それを使用しています。

あとはトラブルがあったときは皮膚科で相談するなど、美容についても自分と向き合うようになりました。

猫と子どもたちとの時間が幸せタイム

『三日月とネコ』出典:mikazuki-movie.com(C)2024映画「三日月とネコ」製作委員会 (C)ウオズミアミ/集英社

―私生活も充実されているようですが、安達さんにとって幸せな時間とは?

安達さん:昨年の7月から猫を飼い始めまして、猫と一緒に過ごす時間は幸せですね。10歳くらいの猫なので、もうおじいちゃんなんですけど、すぐに私の側に寄ってきてくれるので。

あとやはり子どもと過ごす時間が幸せです。すごく楽しいし、大切だし、自分の子どもだから好きというのはもちろんですが、ふたりとも人として好きなんです。側にいてくれてありがとうという気持ちです。

できないことがあると、幸せを感じる!

―俳優としてのキャリアは、今後、どう考えていらっしゃいますか?

安達さん:私はこれまで映画やドラマなど映像作品が多く、舞台経験があまりなかったので、2020年くらいから1年に1回は舞台に立つことを決めています。

私は舞台のキャリアが浅いのでできないことが多いのですが、それがとても幸せなんです。

舞台は劇場の後ろの方にいるお客さんにも伝わるようにお芝居をしないといけないので、必然的に声が大きくなります。私は大きな声を出したらリアルじゃなくなると思っていたのですが、舞台の芝居は単純に大きな声を出すことではないんです。

まだまだできないことがあるし、それを習得するチャンスもある。それはなんて幸福なことだろうと。「自分にはまだ伸びしろがあるんだ」と思ってやっています。

『三日月とネコ』出典:mikazuki-movie.comhttps://eiga.com/movie/100755/gallery/

―最後に『三日月とネコ』をみた感想とおすすめポイントをお願いします。

安達さん:本当に心に響く言葉がつまっていて、その言葉に救われる映画です。3人の関係の始まりは災害がきっかけですが、不安なときだからこそ、助け合って、寄り添いあって付き合えるようになったと思います。

必ず心がホッとできる、心が軽くなる映画だと思うので、マッサージを受けに行くような気持ちで観ていただきたいです。癒される時間が待っています、ぜひ映画館へ足を運んでいただけるとうれしいです。

安達祐実さんプロフィール

1981年9月14日生まれ。東京都出身。

2歳からキッズモデルとして活動し、子役としても活躍。ドラマ『家なき子』(1994/日本テレビ)で大ブレイク。子役から大人の俳優へと見事な転身を遂げ、活躍の場を広げている。近作は『零落』『春画先生』(2023)『わたしのかあさん-天使の詩-』(2024)

『三日月とネコ』(2024年5月24日公開)

『三日月とネコ』出典:mikazuki-movie.com(C)2024映画「三日月とネコ」製作委員会 (C)ウオズミアミ/集英社

原作:ウオズミアミ「三日月とネコ」(集英社マーガレットコミックス刊)
監督:上村奈帆
出演:安達祐実、倉科カナ、渡邊圭祐、小林聡美、山中崇、石川瑠華
撮影・取材・文:斎藤 香

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