教えてくれたのは……快眠寝具専門店 半ざむさん
株式会社半ざむは明治9年創業の寝具ホームファッション専門店。寝具全般からホームファッション、オーダーカーテン・ブラインドを取り扱い、睡眠の専門店として地域の暮らしを支えている。代表取締役社長である佐保田篤さんはカビ・ダニ測定技能士、スリープマスター、睡眠改善インストラクターの資格も有する。
カビ・ダニ測定技能士とは
カビやダニに対して正しい知識を有し、個々の住まいにとどまらない地域社会における住環境のコーディネーター。また、建物内のカビ調査や室内環境中のダニとダニアレルゲンの測定のノウハウを有する。
家庭の中で一番ダニがいる場所……それは!
家庭の中でダニが最も多く生息している場所は例外なく「寝具類」です。寝具類には適度な湿度と温度があり、エサとなる皮脂やフケなども豊富なのでダニにとっては天国のような場所なのです。
秋に発症することが多いダニアレルギー。そのメカニズムとは?
ダニの寿命は約3か月と言われています。短いように感じますが、3ヶ月の生涯で100個もの卵を産みます。生まれたダニがさらに繁殖し、1匹のダニが3ヶ月後にはなんと100万匹になります。
ダニは夏にピークをむかえます。そして10月11月と徐々に寒くなるにつれ、夏に増えたフンやダニがどんどん死んでいき、このダニのフンや死骸がアレルゲンとなります。秋にアレルギーを発症してしまうのはこのためです。
ダニと睡眠不足の深い関係とは
ダニの死骸やフンである「ダニアレルゲン」を睡眠時に吸い込むことによって、目のかゆみ、鼻水、くしゃみ、せきなどのアレルギー症状を引き起こします。アレルギー症状が発症すると寝るどころではなくなるほどの不快感をもたらし、中途覚醒や寝つきの悪さを引き起こします。その結果、睡眠不足に陥ってしまうのです。
体調を司る大切な睡眠が妨げられないように事前に対策を取ることが大切です。
今すぐやめて!ダニを寄せ付けるNG行為2つ
NG1: 夕方までふとんを干している
ふとんの日干しの目的はダニを乾燥させることです。太陽の熱ではダニは殺すことはできません。ダニを増やさない為にもこまめに日干しをして乾燥させることが大切です。ただし、15時を過ぎるとふとんに湿気が戻ってしまうため、必ず15時までに干した寝具は取り込むようにしましょう。
NG2: ふとんを叩く
ふとんを叩くと、表面のほこりが舞うだけでアレルゲンを効果的に取り除く事が出来ません。それどころか、ふとんを傷めてしまう可能性もあります。日干しをしたふとんは、取り入れる前に掃除機でアレルゲンを吸い取るのがベストです。
3つの「ダニアレルゲン対策」で快眠生活を!
ダニ対策で一番大切なのは、ダニアレルゲン(死骸・フン)を除去することです。
対策1. 寝具を洗濯する
ふとんやマットレス、枕などの寝具が家の中で一番ダニがいる場所です。枕カバーやシーツは定期的に洗濯しましょう。洗濯する頻度の目安は1週間〜2週間に一度が理想です。洗える掛け布団や敷布団を使用している方は、月に一度の洗濯を心がけましょう。
対策2. 寝具に掃除機をかける
マットレスなど洗う事が出来ない寝具は定期的に掃除機を掛けてください。アレルギー症状の元となるダニの死骸やフンだけでなく、ダニのエサとなるフケや垢も除去することができます。
対策3. 空気清浄機をつけ続ける
ダニアレルゲンは細かくなって空中に舞い上がってしまいます。フィルター式の空気清浄機を使うことによって、部屋の空気が綺麗になりアレルゲンを低減させる効果があります。
ダニシートに頼り過ぎないで
市販のダニシートを使っても、寝具のように数万匹のダニがいる環境では全てのダニを捕獲することはできません。定期的な掃除や洗濯、乾燥といった対策の方が高い効果を得ることができます。
「ダニアレルゲン対策」の驚くべき効果
対策前
睡眠中は、脳も体も休ませる「ノンレム睡眠」・体は休んでいても脳は動いて記憶の定着やストレス解消効果もある「レム睡眠」を段階ごとに繰り返す事で疲労回復をしています。
対策前は布団に入ると同時に、くしゃみや鼻水により1回5分程度の中途覚醒を繰り返す状態が続きました。このアレルギー症状によって夜中に目が覚めるたびに、ノンレム睡眠とレム睡眠のリズムが崩れてしまい、睡眠の質は低下します。
対策後
中途覚醒がなくなるため、睡眠の質が劇的に向上します。朝、スッキリ目覚めることができます。
いかがでしたか? 睡眠は身体のコンディションを整えるのにとても大切ですよね。筆者もダニアレルゲン対策を心がけて快適な睡眠ライフを目指したいと思います。