じつは、トコジラミは「シラミ」ではない
トコジラミは、シラミやダニの仲間ではなく、カメムシの仲間です。
※いざというときに判別できるよう、画像つきでご紹介します。苦手な方は注意してください。
幼虫では1~4mm程度の大きさで乳白色、成虫は5~mm程度の大きさで赤褐色です。幼虫~成虫(メス・オス)まで吸血します。
◆幼虫
◆成虫
1日で3~6個、生涯で約500個も産卵することから、繁殖力が高いのが特徴。近年は、ピレスロイド系の薬剤に耐性を持つ「スーパートコジラミ」が問題視されています。
昨年から韓国やフランスなど世界的にトコジラミの大量発生が報道されており、いまだ収束の兆しがみられないため、対策を知っておく必要があります。
トコジラミの活動のピークの時期
トコジラミは気温25℃程度の時期を好み、春から夏にかけて活動のピークを迎えます。成虫は肉眼で確認しやすいのですが、幼虫はその色と大きさから見つけにくいのが難点。幼虫も人を刺す可能性があるため、注意が必要です。
繁殖力が高いため、家に持ち帰ってしまうと駆除が大変です。
トコジラミの被害を受けないために宿泊先でやるべき「3つのこと」
トコジラミが好む場所は「暗くて血を吸いに行きやすい場所」「亀裂などの狭くて暗い場所」「布が重なった部分、継ぎ目」「暖かい場所」です。そのため、ベッド・床・壁などのすき間、ダンボールなどに隠れていることが多く見られます。
また、吸血した大部分をフンとして出すので、血が混ざった赤いフン(血糞)の汚れ跡が潜伏場所付近に付着します。
旅行先や出張先でホテルに到着したら、まずやっておくとよいことは下記の3つです。
1.痕跡がないかを確認する
カーテンレール、ベッドのマットレスの継ぎ目、壁にかかっている額の裏側、すき間などをチェックし、痕跡である血糞がないかを確認してください。
2.寝る前に虫よけ剤を塗りのばす
寝る前には、対象害虫にトコジラミが記載されている「サラテクト」などの虫よけ剤を身体(特に肌が露出している部分)にスプレーして均一に塗りひろげてください。塗りムラがあるとその場所が刺されてしまうため、手でしっかりムラがないように塗りのばしましょう。
3.電気をつけたまま寝る
トコジラミは夜行性で明るい場所を嫌う傾向があるため、電気をつけたまま眠ることで被害に遭うリスクが低くなるでしょう。
これから旅行や出張を控えている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。次回の記事では、実際の被害例や旅行先から家に持ち込まないための対策について、ご紹介します。
取材協力:アース製薬