進学後に勉強しなくなった…。子どものやる気がなくなる“3つの理由”

家族・人間関係

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2025.05.12

臨床心理士・公認心理師のyukoです。進学・進級の時期が過ぎ、環境の変化があると、勉強のやる気が突然低下してしまう子が多いよう。子どもが突然勉強しなくなったら、やる気がなくなったと言ったらどのようにサポートしていけばよいのか。理由や対処法を考えていきます。

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やる気がなくなってしまったわが子。どう接するべき?

大変だった中学受験が終わり、新しい中学に通い始めた娘。この間まで「中学に入ったら勉強も部活も頑張る」と話していたのに、入学後は勉強のやる気がめっきりなくなってしまったよう。宿題がでても集中して取り組めていないようだし、授業についていけているのかも心配。どうすればよい?

勉強する女子学生出典:stock.adobe.com

進級・進学した直後、勉強のやる気がなくなる子は少なくありません。
本人のレベルよりも少し高めのところに入学できた子のみではなく、本人のレベルに合った学校であってもやる気がなくなってしまう子は多いよう。

どうして進級・進学した直後は勉強のやる気がなくなってしまうのでしょうか。
知っておきたい特徴や理由と、対処法について考えます。

進級・進学直後にやる気がなくなってしまった。その理由と対処法とは?

勉強の目標や目的を見失ってしまった。

受験合格を目標に据えて、勉強に取り組んでいた子は新しい学校に入学するとやる気が低下しやすくなります。
明確な目標がなくなると、何をモチベーションに頑張ったらよいのかわからなくなってしまうんですね。

また、これまでの疲れやプレッシャーから解放され、気力が一気になくなってしまう子も。
この先長い学校生活、まだ頑張らないといけないと感じてしまうと、途方のなさを感じてモチベーションが低下してしまうんです。
進学校であれば、入学してからも厳しい競争があるかもしれませんが、本人のやる気が低下しているときは強制しても逆効果。

教室で悩む女子学生出典:stock.adobe.com

これまでと同じ熱量での努力を求めるのではなく、まずは本人が興味を持てることを見つけ、気長に勉強のモチベーションが回復するのを待つのが吉といえます。何のために勉強すればよいのか、自分自身で答えを見出すのが大切なんですね。

環境が変わり、自信がなくなってしまった。

進学して新しい環境になると、これまでの出来や評価が変化することも多いもの。
今までは優秀と評価されていた子が、新しい学校に進学すると平均的になった際、やる気が低下しやすくなります。
特に、これまで評価されていた子、勉強に自信があった子が、「できない=意味がない」という考えに陥りやすいよう。

また、勉強の難易度が上がるとついていけなくなり、自信とともにモチベーションが低下する子も。
新しい学習環境になじみ、スピード感にもついていくのが難しくなってしまうんですね。

子どもの様子をよく見て、何に自信がなくなっているか、学校以外の場所でのフォローアップは必要かなどを相談していけるとよいでしょう。

勉強以外のことに魅力を感じる。

部活や趣味に打ち込める環境になると、勉強がそっちのけになる子もいます。
また、勉強をまじめにこなすことよりも、自己表現の方が大切と考える子も増えているよう。
今はSNSなど一度夢中になるとなかなか手放せないツールもあり、集中力を維持しにくく、気が逸れやすいんですね。

スマホをいじる女子学生出典:stock.adobe.com

“勉強が一番大切”という考え方が絶対的なものではなくなっている点も影響しているかもしれません。勉強が将来の進路のどのような点に繋がりうるか、学習した先に得られるものを一緒に見つめてみる時間も大切といえるでしょう。趣味や好きなことをより楽しむためにも、勉強が役立つと感じられれば、おのずと学習のモチベーションが高まってきます。

子どもがなぜやる気をなくしたのかを考え、その時々で子どもに合わせたアプローチをしていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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