教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
幸福度が高い人が実践している「5つのバランス術」
毎日「やることリスト」に追われていませんか? 子育て、仕事、家事などはどれも大切だからこそ、つい自分を後回しにして疲れてしまっている人も多いかもしれません。
そんな中、幸福度が高い人たちは“ちょっとした工夫”で、「やること」と「自分時間」の絶妙なバランスを保ち、無理なく自分らしく過ごすことができています。今回は、誰でもすぐに取り入れやすい「5つのバランス術」をご紹介します。
1.完璧を手放して「7割ルール」を設ける
幸福度が高い人は、すべてを完璧にこなそうとはしません。たとえば、家事も「今日は7割できたらOK」と考えるだけで、気持ちがぐっとラクになります。7割が多いと感じる場合は、2割や3割など、自分が心地よく感じる数字を設定してもOKです。
洗濯物をたたまずに山積みにしていても、命にかかわることではありません。そんな日があっても大丈夫。“ちょっと余白”を残すことで、自分にも家族にもより優しい気持ちを持つことができます。
2.予定表に「自分時間」を先に入れる
「時間が空いたら休もう」と思っていても、実際にはなかなか空かないことが多いですよね。幸福度が高い人は、まず先に「私の時間」をスケジュールに組み込んでいます。それは、10分のお茶タイムや読書でも十分です。
子どもに“自分を大切にする姿”を見せることは、最高の教育にもつながります。また、家族は「自分以外」の存在なので、思い通りに動いてくれないのは当然のこと。だからこそ、まずは自分のための余白時間を確保して、心にゆとりを持った状態で接しましょう。すると、家庭の雰囲気はより良いものになるはずです。
3.役割を共有して「チーム戦」にする
仕事でも家庭でも「私ばっかり頑張っている」と感じると、心の余裕がなくなり、幸福度は下がってしまいます。幸福度が高い人は、「これはお願い!」と自然に頼るのが上手。夫や子どもに家事をお願いすると、意外と誇らしげにやってくれるかもしれません。
そして、「ありがとう」の一言が、家族のチーム力を高めてくれます。実は、この「ありがとう」が次の協力にもつながる大切なカギ。あなたの喜びが伝わるようなお礼の言葉の声掛けこそが、一番大切です。
4.気持ちの切り替えに「ミニ儀式」を持つ
仕事モードから家事モードへ、子育て時間から自分時間へ。幸福度が高い人は、そんな場面ごとに切り替えるスイッチを意識的に持っています。たとえば、お気に入りのハンドクリームを塗る、3分だけ深呼吸する、エプロンを変える、お香を焚くなどです。
さまざまな方法があるので、あなたに合ったベストなものを見つけましょう。“ミニ儀式”をするルーティンがあるだけで、心が軽やかにリセットされます。
5.意識的に「保留」と「笑顔になれること」を取り入れる
私たちは、いつも絶好調な状態でいられるわけではありません。誰にでも必ず、バランスが崩れる日はあるものです。そんなとき、幸福度が高い人は深刻に考えすぎず、「ま、いっか」「今は休もう」と、いったん保留にすることができます。余裕がないときこそ、くすっと笑ってみることを意識しましょう。
笑うことで、脳内ではエンドルフィンという幸せホルモンが分泌され、ストレス軽減につながります。私自身は、かわいい動物の動画を見て、たくさんの笑いと癒しをもらっています。撮影している方たちに感謝です!
幸福度が高い人が実践するのは、実はシンプルなこと
幸福度が高い人が取り入れているバランス術は、決して難しいものではありません。完璧を手放す、自分時間を優先する、役割をシェアする、気持ちを切り替える、そして最後は笑うことで整える。これらの一つひとつは、誰でもすぐに始められるシンプルな習慣です。
こうした積み重ねが、周囲から「余裕のある人だな」と好印象を持たれる秘訣かも。そして何より、自分自身の心が軽くなり、日々の幸せを実感できるようになります。その心のゆとりが、家族との関係もより円滑にしてくれるのです。