年末年始に考えたい。子どもが独立したあと“親はどこまで”関わっていいのか?

家族・人間関係

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2025.12.31

こんにちは。家事シェア研究家の三木です。 子どもが独立した後、こんな戸惑いを感じることはないでしょうか? LINEの返事がそっけない。音沙汰がない。会えば優しいけど、ちょっと距離を感じる……。これは「親が過干渉だ」とか「子どもが冷たい」という性格の話ではなく、「第二のライフデザイン」という壁に当たっているのだと思います。

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「子どもに冷たくされる」これって過干渉のせい?

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頻繁な連絡、子どもの新生活への口出し、困ってしまう前に先回りしてあげる。 これらは一見すれば「愛情」の表現でもあります。

実際に僕の親も、とても頻繁に連絡を求めてくる時期がありました。 ですが、これは「愛情」というよりも「不安」なのだと感じました。

もちろん、子どもへの「不安」もあるのですが、「子どもがいない生活への不安」を子どもとのコミュニケーションで解消しようとしてはいないでしょうか。

子育てが中心だった生活は、思っている以上に長いものです。 その期間中は、朝起きる理由も、時間の使い方も、判断基準も、常に「子ども」が軸にあります。

その役割が突然なくなったとき、親はふと立ち止まることになります。

「わたしはこれから、何を軸に生きていけばいいんだろう?」

これは悩みでもなく、モヤモヤでも、イライラでもありません。 これは、これから生きていくための「問」です。そして、この「問」と向き合い、自分なりの答えを出すべく動き出さなければ、その不安はいつまでも子どもに向いてしまうのです。

子どもの独立は、親の「第二の人生」の始まり

第二の人生出典:stock.adobe.com

子どもが独立することは、親の役割が終わることではありません。 ただ、役割が変わるだけです。

子育て期を「第一のライフデザイン期」だとするなら、この期間は「家族」を優先し、支え、回していく人生でした。 そしていま、新たに始まるのが「第二のライフデザイン期」です。この時期から、生活の主語が「子ども」から「自分」へと戻ってくるのです。

ここで立ち止まらずに、切り替えられるかどうかが、自分の人生だけじゃなく、子どもとの親子関係をも大きく左右します。

親が自分の人生を活き活きと生きていると、子どもは安心するものです。 心配ではなく、安心をベースとした距離感は、自然と心地よいものになるでしょう。

細々と「ちょうどいい距離感」を探るより、自分の人生を楽しみ始めたほうが、関係はうまくいくと思いませんか?

子どもの立場から見ても、

  • 親が忙しく、楽しそうに過ごしている
  • 子どもの近況確認以外に、楽しい話題がある
  • 困ったときには、これまでと同じように親身に手を差し伸べてくれる

こうした親に対して、子どもは距離を取りません。 無理に近づけば近づくほど、距離は離れていく。親子に限らず、人間関係とはそういうものなのかもしれません

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第二のライフデザインを描くために

自分たちの人生を出典:stock.adobe.com

独立したとはいえ、子どものことが心配なのはわかります。 ですが、すでに子どもは「自分の人生」を歩き出しています。 同じように、親も「自分の人生」を歩き出さねばなりません。

親が子どもの幸せを願うように、子どもだって、親が幸せそうにしていると安心するのです。 いつもいつも心配そうに「大丈夫?」「何してるの?」と報連相を求められても、重荷に感じるだけです。

子どもへの連絡を我慢するのではなく、子どもへの連絡を忘れてしまうくらい、自分の人生を生きましょう。子どもの方から「最近、どうしてる? 元気?」と連絡が来るくらいでちょうどいいのです。

距離を取ることは、愛情を減らすことではありません。 心配する気持ちは自然なこと。 だからこそ、信じて任せてみましょう。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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