部屋で何してるんだろう。つい廊下をうろうろしてしまう。
小学5年生の娘。最近は学校から帰るとランドセルを置いてそのまま自分の部屋に入るように。夕飯の声かけにも「あとで」と短く返すだけ。以前はリビングで宿題をしたり、学校の話をぽつぽつしてくれていたのに。 「何かあったのかな」「声かけるのはよくないよね?」と気になり、用もないのにドアの前を通ったり、部屋から出てくるとつい「大丈夫?」と聞いてしまう。どう関わればよいのだろう。
子どもが部屋にこもり始めると、多くの親は「何か問題があるのでは」と身構えます。
しかし、部屋にこもること自体が必ずしも拒絶や反抗を意味するわけではありません。
思春期の始まりは、
- 外(学校)で気を張る時間が増える
- 人間関係が複雑になる
- 一人で気持ちを整理する力が育ち始める
といった変化の中にいます。
そのため、部屋は「逃げ場」ではなく「回復の場所」になっていることも多いのです。
しかし子どもが部屋にこもると親が不安になるのも当然。
どのように関わっていくのがよいのかを考えてみます。
子どもが自室にこもる時間が増えたときの関わり方
子どもから話さないときは、用事のある声かけのみにする
「どうしたの?」「何してるの?」は、子どもにとっては“確認”や“監視”に聞こえがち。
子どもが話しかけてこない、話したがらないときは、
「ごはん、できたよ」
「お風呂、あと10分で沸くよ」
「見たがっていたテレビ、そろそろ始まるよ」
など、目的がはっきりした声かけに絞ります。
数日間、そのようなやりとりのみであったとしても、親子の関係は崩れません。
むしろ、「無理に聞いてこないんだ」と安心できると、自然と話しかけてくる子が多いです。
出てきた瞬間を“チャンス”にしない
たまにリビングに出てきたとき、 「最近どう?」 「学校大丈夫?」と一気に聞きたくなりますが、ここは我慢。
リビングに出るのが億劫になり、余計引きこもりがちになってしまいます。
重要な話はもちろん適宜する必要がありますが、基本的には「おはよう/おやすみ」「おつかれさま」など、短いやり取りで十分。
いてもいいし、いなくても大丈夫なんだという安心感が、居心地のよさにつながります。
何も話さなかった日を「失敗」にしない
親が一番疲れるのは、 「今日も話せなかった」と自分を責めること。
”話すこと”を目的にしてしまうと、子どももひしひしと雰囲気を感じて口を閉ざしやすくなります。
- 家にいる
- 食卓でご飯を食べている
- 体調を崩していない
など、いくつか「これでよし」と思えるポイントを押さえていれば、口数が減ってきても大丈夫です。
「今日は回復の日か」と腰を据えて捉えられると、子どもにも余裕が伝わります。
親の不安は、大人同士で処理する
意外と大事なのがこの点です。
子どもに対して 「最近どうなの?」「部屋にこもってばかりじゃない?」と聞きたくなる背景には、親の不安があります。
しかし、”一人でいたいモード”のときに不安をぶつけられると、余計に心を閉ざしやすくなります。
子どもに問いたくなる不安は、まず夫婦・友人・親など、大人同士で言語化してみるのがおすすめです。
他の人の意見を聞いたり、自分の不安を客観的に見て、関わり方や言葉がけを考えてみるのもよいでしょう。
“ほどよい距離”を探していく
部屋にこもる子を前にすると、親は「何かしてあげなきゃ」と焦ります。
しかし、思春期の子にとって大切なのは、無理に引き出されないこと。
近づきすぎず、放任しすぎず。声をかけすぎず、でも気配は消さない。
子どもが自分のタイミングでドアを開けたとき、そこに変わらず親がいる。その経験こそが、思春期の親子関係の土台になります。
部屋にこもる姿の奥にある「自分で整えようとする力」を信じること。
その信頼が、子どもから親への信頼にもつながっていくのでしょう。



