ちょっと注意されただけで、そんなに傷つくの?
小5の息子。学校から帰るなり、「もう最悪だった」とイライラした様子で部屋にこもってしまった。理由を聞くと、授業中に先生から「話聞いてた?」と少し強めに言われたとのこと。翌朝も「あの先生嫌だな」「国語だけ休みたい」とひきずっている様子。親からすると「それだけ? 昔ならよくあったことなのに」と感じたが、今の子にとっては、そんなに大きなことなのかな。
子どもの気質や生育環境によりますが、今の子どもたちは親世代より強く怒られる経験が減っています。
世の中の風潮もあいまって、周囲の目をはばからず叱責するという機会が少ないのも影響しているでしょう。
優しい環境で育ってきた子どもたちは、‟否定される感覚”そのものへの耐性が育ちにくいといわれています。
つまり、少し注意されただけでも、大人が思う以上に傷つきやすくなっているんですね。
怒られ慣れていない子が、これから社会を生きていくためには、どのような関わりが支えとなるのでしょうか。
傷つきやすい子を支えるための工夫3つ
「周りはそこまで気にしていない」感覚を育てていく
特に小学校後半くらいになると子どもは、「自分が周りからどう見られているか」をかなり強く意識するようになります。
「周りはどう思ったかな」「みんな昨日のこと覚えてるかな」と、‟他人から見た自分”まで含めて考えるようになるんですね。
だからこそ家庭では、「周りはそこまで見続けていない」感覚を育てていくのが大切です。
単に「気にしすぎだよ」と否定するのではなく、「ママも学生の頃は気にしいだったな」「でも意外と、人って自分のことで忙しいんだよね」など、視野を広げた考えを伝えるのがおすすめ。
あるいは、「逆に今日、誰かの失敗をずっと覚えてる?」「昨日の授業で誰が注意されてたか覚えてる?」と聞いてみるのも一つです。
‟人の記憶や評価は、自分が思うほど自分に向けられていない”という感覚を育てていけると、傷つきから回復しやすくなります。
言われたことと感じたことを分けて整理する
“注意された→悪目立ちした→評価が下がった→嫌われた”と直結してしまうと、傷つきから回復しにくくなります。
そこで、「そんなことで気にしすぎ」「普通のことだよ」と伝えてもあまり効果はありません。
- 「〇〇くん、今日は一人でいたかったのかもね。あなた自体を否定したわけではないよ」
- 「先生、授業に集中してほしくて言ったんだと思うよ。でも、あなたがいつも聞いてないと思ってるわけではないと思うよ」
- 「コーチは、もっと集中して練習すれば伸びると思って少し強く言ったのかな。向いていないとは言ってなかったよね」
落ち込んでいるときは、「一部を全部と解釈」したり、「一行動を注意されただけなのに人格否定された」と感じたりするもの。
ですので、“言われたこと(行動への注意)”と“感じたこと(人格否定)”を分けて整理できるとよいでしょう。
「だめだった出来事」を、一家の重大事件にしない
家庭の中で、大事(おおごと)にされると、単なる注意や叱責をさらに気にするようになってしまいます。
たとえば、
- 話したがらないことを何度も聞いて、振り返らせようとする。
- 夫婦や家族で事件として食卓の話題にする。
- 「大丈夫?」と過剰に心配する。
などは、子どもの傷つきを強めてしまう対応となってしまいます。
多少聞きたい気持ちがあっても、子どもが気にしているようだったら「嫌だったね」「まあ、そういう日もあるか」くらいで止めて、普段通りに過ごすのも大切。
失敗を軽視するのではなく、一日の中心テーマにしない対応が支えになるんですね。
怒られ慣れていない子は、一回の注意を自分の価値と感じてしまうこともあります。
そのため、親が「そういうこともあるよ」と適度に軽く捉えてあげると、気持ちが軽くなっていくでしょう。
家庭の中での温かい関わりは、「失敗しちゃった。でも、こういう日もあるか」と気持ちを切り替える力を育てていきます。




