親は“決定事項を伝えられる存在”になっていくもの?
最近、小5の娘が勝手に予定を決めたり、習い事の方針を判断したりする。家族の予定も聞かず、『来週の土曜は部活の子と遊びに行くから』と決定事項として伝えてきたり、『今度の発表会はこの曲にする。先生と決めた』と、今までは一緒に考えていたことも相談なしに決めてくる。報告ばかりの会話が増えて、なんだか寂しい。
小学校高学年くらいになると、親子の会話は少しずつ変化していきます。
「相談する関係」から「報告する関係」へ移っていくこと自体は、自然な発達の一部。
ただ、その変化のスピードや形は、子どもの性格だけで決まるわけではありません。
日々のちょっとしたやり取りの中で、「親に相談してみよう」と思える関係になるのか、「自分で決めて報告しよう」と思うようになるのか、が分かれてくることも多いのです。
子どもが親に「相談する関係」と「報告する関係」。分かれ道はどこにあるのでしょうか。
「相談しようかな」と思える親になる3つの関わり方
家族の意見を広げて考える
親がその場ですぐに結論を出すと、「お母さんに聞くときっとこう言うだろうな」と考えて、相談を踏みとどまることがあります。
そこでおすすめなのが、少し視点を広げる声かけです。
たとえば、子どもが 「友だちと(少し遠い)テーマパークに遊びに行きたいんだけど」と話してきた場合、
- 「パパはどう思うかな?」
- 「おばあちゃんだったら何て言うと思う?」
- 「いとこのお姉ちゃんも前そこに行ったって言ってたよね」
など、視点を広げて、家族で考える大切な問題として扱うのもひとつ。
「ママ(パパ)の言うことが絶対」という風潮を作ってしまうと、子どもはどんどん相談を避けるようになります。
さまざまな視点を踏まえて考えて、一緒に判断してくれる。
そう思えると、「聞いてみようかな」という気持ちが育ってきます。
子どもの意見で親が考え直す経験をつくる
もう一つ大切なのは、親が意見を変える経験を子どもに見せることです。
たとえば、
- 「この習い事、もうやめにしたい」→「そうか。最初はもう少し続けたほうがいいかなと思ったけど、そう言うなら先生に話してみようか。」
- 「このゲームがどうしても欲しい」→「ゲームは〇年生からって思ってたけど、約束守れるなら考えてみようか。」
こうしたやり取りがあると、「うちの親は、私の話で考え直してくれる」と感じるようになります。
「相談する意味がある」と思える経験が重なると、年齢が上がっても、”ちょっと相談してみよう”と思えるんですね。
正解より「考える過程」を共有する
子どもの話になると、「この子にとって最善となる答えはなんだろう」と子ども以上に熱心に考える方も多いです。
しかし、高学年くらいになると子ども自身の考えを既に持っているもの。
そのため、まずは「あなたはどう思っているの?」「どうしたいか決まっているの?」と尋ねるのがよいでしょう。
そのうえで、迷っている点、決めきれない点、メリットやデメリットを整理して考える過程を共有してあげると支えになります。
結果や判断を渡すだけでなく、「考える過程」を共有することで、いずれ子どもが一人で何か決断する時も冷静に考えられるようになるんですね。
相談は「安心して迷える関係」から生まれる
子どもが親に相談するかどうかは、特別なテクニックで決まるわけではありません。
大きな違いはただ一つ。
「うちの親は答えを持っている」と感じているか、「うちの親は一緒に迷ってくれる」と感じているか。
子どもが幼い時期には、親は子どもが危険な目に合わないように、手を引いて導く存在でなければいけません。
しかし、子どもが大きくなるにつれて、親も少しずつ役割を変えていく必要があります。
「一緒に迷い、一緒に考え、子どもが納得いく判断を支える」
そんな素敵な伴奏者でいられるといいですよね。



