反抗期がないまま育っても大丈夫?
中2の息子、思春期真っただ中。のはずだが、わかりやすい反抗期がなく、来る気配もない。反抗期というと、口答えしたり、物を投げたり、口調が荒くなったりするイメージがあったが、息子は毎日穏やかに淡々と過ごしている。成長するにつれて、怒られる前に回避する術を身につけ、衝突することはほとんどなく、返事は「別に」「普通」「いいよ」ばかり。少し距離がある感じがするけど、こういうものなのかな?
反抗期は、親から自立するための一過程であり、成長のための大切なステップです。
しかし最近の子どもたちは、かつてのような激しい反抗(壁を殴る、「うるせえばばあ」といった暴言など)を見せないことが増えています。
中には、“反抗期がないと、大人になってこじれるのでは”と不安になる親御さんも。
最近の子どもの反抗期の現れ方や、接し方を考えてみましょう。
なぜ今、「わかりやすい反抗期」が減っているのか
もちろん子どもによって反抗期の現れ方はそれぞれなのですが、全体的に見て昭和や平成にイメージされたような「わかりやすい反抗期」は減ってきている印象があります。
考えられる理由の一つは、親子関係の変化です。
今は「話を聞く」「気持ちを尊重する」といった関わりが広がり、昔よりも親子の対立構造が弱くなっています。
その結果、激しくぶつかり合うのではなく、関係を保ちながら距離を取るスタイルが増えているようです。
二つ目は、子どもの対人感度の高さです。
- 空気を読む
- 場を乱さない
- 関係を壊さない
上記のような力はソーシャルスキルとして、近年教育現場でも重視されてきました。
ソーシャルスキルが身についている子ほど、衝突して自己主張をするよりも、調整や回避を選びやすくなるんです。
その結果、親の前でも激しく感情的になる機会が少なくなるんですね。
共感や柔軟性が重視される社会は家族の形にも影響しています。
親子関係においても、調和や合理性、感情の省エネなど、令和らしい価値観が作用して「わかりやすい反抗期」が減ってきているといえるでしょう。
反抗が見えにくい子とは、どう関わったらよい?
反抗が見えにくい子に対しては、「楽だからそのままでいてほしい気持ち」と「もっと主張してほしい気持ち」の両方を持ちやすいもの。
子どもが、“主張=衝突=面倒なもの”と回避し続けていると本音が見えにくくなってしまいます。
なのでコミュニケーションを少し工夫してみるのがおすすめです。
1.考えの幅を広げる関わりを加える
「こう考える人もいると思うけど、どう思う?」
「違う考えでも全然いいよ」
「今選ぼうとしてる道のメリット・デメリットは?」
人に合わせる・既存の選択肢から選ぶだけでなく、他の道もあると視野を広げられる問いかけがあるとコミュニケーションが柔軟になってきます。
2.すぐにまとめず、「迷っていい時間」をつくる
「で、どっちにするの?」と回答を急ぐのではなく、「まだ決めなくてもいいから、今どんな感じか教えて」と経過を共有するのも大切。
反抗しない子は、正解を選ぼうとしたり、「こっちでいい」と無難な選択をしやすいことがあるんです。
途中の状態・迷っている状態を認めることで、自分の考えに気づきやすくなっていきます。
3.「違っても大丈夫」と実感する機会をつくる
たとえば
- 旅行で行きたい場所が家族でバラバラ→話し合って計画する
- 週末の過ごし方が合わない→別々で過ごすのではなく、週ごとにお互い合わせてみる
- 習い事の方針が親子で一致しない→子どもの意見を優先してみる
このとき、家族の中の‟なんとなく”を一度取り払ってみるのがポイントです。
“なんとなくパパに合わせる”、“意見がずれたときはなんとなく多数決で決める”
家族の中の‟なんとなく”を取り払い、「違っても大丈夫だった」と実感する機会を作っていくのが大切です。
表立った反抗が少ない子は、ぶつからない形で親と距離をとっていくことが多いです。
大切なのは反抗を引き出す関わりではなく、「考えが違っても親子は変わらない」と実感を持ってもらうこと。
違ってもいい、受け入れてもらえると感じていけると、親から安心して離れていけるんですね。



