“褒めて伸ばす”がうまくいかない現象とは?
算数のテストで90点を取ってきた小4の息子。褒めて伸ばすチャンスだと思い、ここぞとばかりに「すごい! やっぱりできる子だと思ってたよ!」と伝えた。勉強は好きそうだし、得意なことを伸ばしてほしいと思い、「前話していた学習塾に通うのはどう? もっと楽しく勉強できると思うんだけど」と話すと、「塾に行ったら自分が“できる子”じゃなくなるから嫌」と言われた。上を目指す心はどう育てていけばいい?
褒めて伸ばす。できたことに注目して褒める。
多くの育児書で当たり前のように言われていることですし、もちろん意味がある行為です。
しかし、褒め方やタイミング、子どもの気質との相性によっては、うまくいかないケースもあるんです。
たとえば、
- すごい! さすがママ(パパ)の子!
- やっぱりできる子だと思ってた。
- 天才じゃん。
どれも愛情のこもった声かけで、必ずしも間違いではないのですが、子どもによっては消極的な受け取り方をする場合もあります。
- 失敗したら“できる子”じゃなくなってしまう。
- 良い結果でないと期待を裏切ってしまう、がっかりさせてしまう。
- 次も同じ結果を出せるかな。
努力や挑戦の結果に、毎回評価が付随すると、「自分の評価が落ちる・変わるのが怖い」気持ちになってしまうことがあります。
評価を恐れるようになると、勝てる相手・解ける問題・できそうな挑戦にしか手を出さなくなるもの。
よかれと思って成功を称賛しすぎると、逆に挑戦を恐れる子になってしまうんですね。
では、どのような声かけが「次の挑戦」に役立つのでしょうか。
次の挑戦に繋がる“3つの声かけ”
成功したとき、よい結果だったときに、褒める声かけをやめる必要はありません。
しかし、ときに「次の挑戦に繋げる声かけ」も取り入れると、子どもが評価ばかりにとらわれず、よい塩梅で自信をつけていけるでしょう。
「どうやって頑張ったの?」
- 試合で活躍したとき→どんな練習を頑張っていたの?
- テストで良い点を取ったとき→どんなふうに勉強していたの?
- 難しい問題を解いたとき→どうやって考えたの?
このように問いかけると、子どもは自分の努力の過程や考え方を説明し始めます。
すると頭の中では、「成功=能力」ではなく、「成功=工夫や努力の結果」という理解が育ちます。
- 成功したら→次も頑張ってみよう
- 失敗したら→今回はやり方が合わなかった、別の方法を試そう
と考えられるようになるんですね。
「難しかったところはあった?」
褒めて終わるのではなく、もう一歩踏み込んで「未完成の部分」に触れるのも大切です。
- 「手こずった分野はあった?」
- 「うまくいくまでにどれくらい繰り返し練習した?」
- 「最初うまくいってなかったよね。どんなふうに工夫した?」
この問いかけも、「できた=才能」ではなく、「できた=試行錯誤の結果」という理解を促します。
「そんな風に頑張ったから、結果につながったんだね」とフィードバックしてあげると、「頑張れた自分」も好きになっていけます。
「また新しいものに挑戦してみる?一回休む?」
成功したあと、すぐに次の課題を与えるのではなく、選択肢として問いかけるのも一つの方法です。
「せっかくやる気になってるんだから……!」と、次々に課題を与えた方がよいと考える方もいますが、次に進むかどうかを子ども自身が選べる形にするのも大切。
子どもは気持ちが満たされているとき、自然と前を向き、もう少しやってみようとする傾向があるからです。
逆にもし、心が疲弊しているときは、一度時間をおいてエネルギーをチャージする期間を設けた方が長期的に見て、効果的。
「もっともっと」「さあ、次にいこう!」と背中を押すのではなく、「どうする?」と子どものペースを尊重してあげると、長い目で見て「自分で頑張れる子」になっていきます。
「成功=親が喜ぶもの」ではなく、「成功=次の挑戦が楽しみになる体験」にしていけるような声かけをしていけるといいですよね。



