●基本の歯ブラシ
まずは基本の歯ブラシの選び方を見てみましょう。毛のかたさ、毛質、ヘッドの大きさなど、細かくご紹介します。
また、歯ブラシは一か月に一回を目安に新しいものに交換しましょう。
1. かたさ
1) かため:ブラッシング圧が弱すぎる人。清掃力が高い分、強く磨きすぎると歯や歯ぐきを傷つけやすいので注意。
2) ふつう:一般的なかたさ。
3) やわらかめ:歯周病などで歯ぐきが弱っている人。ブラッシング圧が強すぎる人。
2. 毛の質
ナイロン、飽和ポリエステル樹脂(PBT)、動物毛などがあります。
動物毛は歯や歯ぐきには優しいのですが、乾燥しにくく細菌が繁殖しやすいのでどうしても不衛生になってしまいます。そのため、衛生面からはあまりおすすめできません。
一般的に市販されている歯ブラシの多くはナイロン毛。歯科医院専用の歯ブラシの多くは飽和ポリエステル樹脂(PBT)毛です。PBTはナイロンに比べて耐久性があり、乾燥も早く清潔であるというメリットがあります。
3. ヘッドの大きさ
ヘッドの大きさを決める目安として、上前歯2本分の幅、縦3列x横(親指の幅or人差し指の第一関節まで)などが用いられますが、細かく磨ける人は小さめのヘッド、磨けない人はふつうの大きさのヘッドを選ぶとよいでしょう。
4. 毛先の切り口
ストレート:一般的にはストレートでよいでしょう。
極細毛:歯周ポケットの清掃に適しているので歯周病の人などにおすすめ。
山切りカット:清掃効果はあまりよくありません。
5. 柄の形
握ってみた時手にフィットして握りやすく、ブラッシング圧がコントロールしやすいものをえらびましょう。
●プラスαの清掃道具
次に基本の歯ブラシにプラスして使いたい歯の清掃道具を見ていきましょう。
1. タフトブラシ
これを一本追加するだけで、奥歯や親知らず、歯並びの悪い部分、前歯の裏、矯正装置やかぶせ物のまわりなど、普通の歯ブラシで磨きにくい部分が劇的に磨きやすくなります。
2. 歯間ブラシ、デンタルフロス
歯間部の汚れを落とすのに使います。歯間部が広い場合は歯間ブラシ、狭い場合や歯並びの悪い部分にはフロスを使います。歯間ブラシにはサイズがあるので、隙間の広さに合わせ選びましょう。形もL、I字があり、主にI字は前歯部に、L字は奥歯に使います。材質も、やわらかいゴムタイプとワイヤーに毛のついたかためのタイプがあります。デンタルフロスは、持ち手がついたタイプと手に巻き付けて使うタイプがあります。ワックス付きのもの(狭い歯間部)、なしのもの(広い歯間部)、挿入後膨らむタイプなどがあるので、歯間部の幅や用途によって選びましょう。
サンスターGUM 歯間ブラシI字
サンスターGUM 歯間ブラシL字
サンスターGUM 歯周プロケアソフトピック
サンスターGUM デンタルフロスWaxなしふくらむタイプ
サンスターGUM デンタルフロスWaxフラットタイプ
サンスターGUM デンタルフロス&ピック Y字型
ほとんどの人が毎日歯ブラシをしていると思いますが、「みがいている」と「みがけている」は違います。どんなに時間をかけても、磨けていなければむし歯を予防できません。正しい歯ブラシを選んで、きれいな歯をキープしましょう!
文/澤田史子(歯科医師。ブリティッシュコロンビア大学歯学部勤務後、愛知学院大学 高齢者歯科学 非常勤助教を勤める)
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