やる気を出すには、「とにかくやりはじめればいい」!【脳科学者に聞いた!vol.91】

ライフスタイル

2020.01.25

何か新しいことに取り組むさいに、やる気がなかなか出ないことってありますよね。脳の構造から考えて、そんなときは、ある対処法が有効だといいます。

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やる気や集中力は、「やりはじめる」から出るようになる

 本章では、おもにネガティブな感情や現象でも、いかに自分のために生かせるかをお伝えしてきました。
 そもそも脳というものは、とても「燃費が悪い」臓器です。たしかに高度な働きをしますが、しっかり働かせるためには多くの酸素や栄養を必要とするからです。
 ですから、脳は自然とエネルギーを節約しようとします。なにか新しいことをするのではなく、なるべくいましていることを続けようとするのです。新しいことに取り組むのがおっくうなのは、こうした脳の構造に原因があります。
 では、やる気を出すにはどうすればいいのか? 答えは簡単で、脳はいましていることを続けようとするので、「とにかくやりはじめればいい」。最初は面倒に感じても、やりはじめさえすれば、しばらくすると脳はそれを続けようと働きはじめます。
 たとえば、仕事で面倒な企画書をつくらなければならないとき。そんなときは、とにかくパソコンのキーを打ちはじめることです。
「考えてから作業することが大切で、やみくもにやると非効率だ」という考え方もありますが、そもそもやる気や集中力が出ないときは、とにかく指などを動かして作業をはじめることが大切なのです。
 そうしていると、やがて脳がその作業に慣れてきます。「指(皮膚)」でキーを打ち、画面を「目」で見つめ続けることで、末梢神経から中枢神経(脳)に働きかけるわけです。そして「やってみると意外とできた」ということが脳へと伝わっていきます。この方法はほかにも、面倒だけど習慣化したいこと全般に活用できます。
 脳の構造から考えると、やる気や集中力は、「やりはじめる」から出るようになるのです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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