教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん

株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
幸福度が低い人の時間の使い方「3つの共通点」
責任ある仕事や家庭の用事に追われる毎日。「自分の時間なんて、ほとんどない」と感じている方も多いのではないでしょうか。それなのに、ふとできた自由時間に、なぜか“虚しさ”や“疲れ”を感じてしまう……。そんな経験はありませんか?
もしかすると、幸福度が上がらない原因は「時間の長さ」ではなく、「時間の使い方」にあるのかもしれません。よかれと思ってやっていることが、実は自分の心をじわじわと削っていることも。今回は、幸福度が低い人に共通する間違った「時間の使い方」と、その処方箋を3つの視点からお届けします。
1.目的のないダラダラした時間を「休息」と勘違いしている
仕事が終わった後、ソファに座って何となくスマホを眺め、気づけば時間が過ぎていることはありませんか? この「目的のない受動的な時間」は、実は脳をもっとも疲れさせ、幸福度を下げてしまう原因のひとつになります。
なぜなら、脳は「自分で選んでいない情報」を処理し続けることに、想像以上のエネルギーを使うからです。終わった後に「あぁ、また無駄な時間を過ごしてしまった……」と自己嫌悪が残るなら、それは休息ではなく、消耗していると言えるでしょう。
意識の変え方のポイント
しっかり休息をとるなら、「今日はこの動画を10分だけ楽しもう」「15分だけSNSを見よう」と、あらかじめ出口を決めておくのがコツです。 自分の意志で選んだという感覚(=自己決定感)が、時間を“浪費”から“投資”に変えてくれます。
2.「夜更かし」して、自由を取り戻そうとする
「今日一日に満足できなかった」と感じる日ほど、人は夜更かしをしてしまいがちです。この行動は、心理学で「報復性夜更かし」と呼ばれ、自分の自由を取り戻そうとする無意識の“心の抵抗”とされています。
しかし、睡眠不足は、感情をつかさどる「扁桃体」を過敏にし、翌日の幸福度を大きく下げてしまいます。夜更かしして得た自由は、実は翌日の心の余裕を前借りしているだけなのです。
意識の変え方のポイント
夜に自由を求めるのをやめて、「早く寝ることは、明日の自分への最高のプレゼント」と考えてみましょう。寝る前はスマホを置き、お気に入りの雑誌を読んだり、好きなお香やアロマを楽しんだりするだけで、脳の疲労回復度は驚くほど変わります。
3.「休むことへの罪悪感」があるために、心がずっと休まらない
特に真面目な人に多いのが、家でゆっくりしている自分を「怠けている」「もっとやるべきことがあるはずだ」と責めてしまうケースです。
オンとオフの切り替えが曖昧になり、休んでいる間も、頭のどこかで仕事や家事のことを考えている——。これでは、心は24時間営業のままです。“休むこと=怠慢”と捉える視点が、あなたの幸福度にブレーキをかけてしまいます。
意識の変え方のポイント
休むことを「活動の停止」ではなく、「次へ向かうための充電という、立派なタスク」だと捉え直してみましょう。そもそも、ずっとアクティブにいられる人なんていません。「休むことも活動の一部」だと認識できると、心は深い安らぎを得られます。
「時間の質」は、自分への敬意で決まる
時間は、命そのものです。幸福度が低い人の時間の使い方の共通点は、自分を「時間の波」にただ流されるままにしてしまっていることにあります。
「なんとなく」を「あえて」に変える。それだけで、日々の中に新しい気づきが生まれはじめます。
今日から、寝る前の1時間をスマホ以外で充実させることを考えてみたり、温かい飲み物を一口ずつ丁寧に味わってみたり。そんな小さな「自分のための選択」が、あなたの人生の幸福度を底上げする、新しい一歩になるはずですよ。




