出発点にちがいはあっても、同じ目的地にたどり着くのは不可能ではない
「1万時間の法則」というものを聞いたことがありますか? たいていのことは1万時間の練習をすれば、プロやそれに準ずるレベルにまで能力を高めることができるとする法則のことです。
1万時間は、単純計算をすると、1日5時間を費やすとして約5年半におよびます。これを聞いて、「そんなのできるわけがない!」と感じるでしょうか。それとも、「そのくらいでプロのレベルになれるんだ!」と思うでしょうか。
たしかに、1万時間は長い時間かもしれない。でも、ここでのポイントは、たとえ出発点にちがいはあっても、「同じ目的地にたどり着くのは不可能ではない」ということです。
もちろん、身体的機能や性格などに個人差はあるし、まちがった戦略でやり続けても意味はありません。でも、ある程度正しい方法であるなら、あとは「着実に時間をかけてどれだけ歩いていけるのか」という問題なのです。
英語を話せるようになるのも、なんらかのスキルをマスターするのも、たくさんやれば誰でも必ずできるようになるのです。そう考えると、ちょっとやる気が出てきますよね。
健全な自信や自己肯定感は、ある日突然マインドセット(ものの見方)を変えたからといっても、なかなか持ち続けられはしないものです。それよりも、長い期間にわたり着実な積み重ねをしていくなかで、自然と育まれていくものなのでしょう。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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