利他的に行動するだけで、自己肯定感は高まる!【脳科学者に聞いた!vol.110】

ライフスタイル

2020.02.19

自分だけでなく、まわりのことも考えた振る舞いをすると、人から評価され、よろこびを感じます。でも、たとえ人からほめられなくても、脳はよろこびを感じ、自己肯定感を得ることができるんです。

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利他的な行動をするだけで、他者から評価されなくても自己肯定感は高まっていく

 自分だけでなく、まわりも利益を得られるように振る舞っていると、他者から評価されることは増えていくでしょう。そして、そんなときの評価や「ほめ言葉」によって、脳の「報酬系」が刺激されます。
 先に書いたように、人間の脳には快感を生み出すことにかかわる部分がいくつかあり、それらが刺激されることで大きなよろこびを感じます。自然科学研究機構生理学研究所の定藤規弘(さだとうのりひろ)教授の研究によると、そのよろこびは、たとえほめ言葉だけでも、現金を受け取ったときと同じようなよろこびを感じることがあきらかになりました。
 このとき、脳では前頭葉の「内側前頭前野」という部分が、「自分は素晴らしい」「自分は良いことをした」と判断しています。そして、ここがポイントですが、これは他者にほめられなくても、自分で良い評価をするだけで快感を得られることがわかっているのです。ましてや、そこに他者からの評価が重なれば、さらに強いよろこびを感じることができるでしょう。
 つまり、利己的に行動するよりも利他的に行動するほうが、人間は大きな快感や自己肯定感を得ることができるということ。
 もちろん、利他的に振る舞うと人間関係も円滑になっていくため、より良い結果を生み出す好循環をつくることができるのです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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