人には「お返し」したくなる性質がある!【脳科学者に聞いた!vol.111】

ライフスタイル

2020.02.20

人から助けられたり、何かをもらったりしたさいに、「お返し」をすることってありますよね。こうした行動には、人間に備わっているある性質が関係しているんです。

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人はなにかをされると、「お返し」がしたくなる

 利他的に行動することの良い点を紹介しましたが、ここでひとつ知っておきたいことがあります。それは、人は誰かから助けられたり、なにかを与えられたりしたとき、それに対して「返したくなる」性質があることです。
 これは、文化人類学などで「互酬性(ごしゅうせい)」と呼ばれる概念(がいねん)です。たとえば、なにか贈りものをいただいたとき、「御礼を返さなければ」と思いますよね。つまり、そうした「報酬を与え合う社会関係」に入ることを指しています。
 また、こうした人間の性質を利用できるからこそ、ビジネスでは試供品や試食が配布されます。
 でも、こうした利他的な行動は、相手にとっては押しつけになったり、「借りをつくってしまった」と思わせたりすることにもなりかねません。お礼を返さないでいると、「あの人は常識がない」「あの人は失礼だ」とまわりからみなされるような、一種の社会的制裁も存在します。
 利他的な行動をすることは、相手はもちろんのこと、自分にとっても良いことですが、場合によっては相手に負担をかける可能性があることも心の片隅に置いておきたいものです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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