親と「深い話」をするときのポイントは
「親の年齢が70歳を目安に、そろそろお金の話をする準備を始めてほしい」と言う、安田まゆみさん。介護や相続などのためにする「お金の話」かと思うかもしれませんが「親とお金の話をするのは、家族みんなの幸せのためと、親の残りの人生を充実して希望通り生きてもらうためにするもの」だと言います。最終的にはお金の話ですが、「親に最後まで悔いなく生きてもらうため」のものなんですね。
でもその前に、親とお金の話をするときに、知っておきたいことがあります。それは「順序が大事」だと言うこと。この順序さえ守れば、親の素直な気持ちをきっと聞き出せるはず。そのためのポイントを「元気が出るお金の相談所」の所長、安田まゆみさんに聞きました。
いきなりお金の話はNG!
「そろそろ親とお金の話をしてください」と言っているのに、いきなりお金の話はNG!? 相反するようですが、これにはちゃんと理由があります。
「身内だとつい気が緩んだり、逆に言葉がキツくなって、親に『貯金いくらあるの?』なんていきなり聞く人もいるんです。そうなるともちろん、親は『お前、お金に困ってるのか?』『遺産目当てか!』と怒りだしてしまい、話すどころじゃなくなる、という失敗例がすごく多いんです。具体的なお金の話は最終段階だと覚えておいて。第一段階は、親を心配しているという気持ちを、まず言葉にしてみましょう」
心配をポイントに会話する
ではどうやって会話を始めるのか。それは「心配している気持ちを言葉で伝える」ことが大事です。
具体的には、親が飲んでいるサプリメントや薬を見て「あれー、最近膝が痛いの?」などと聞くとか、実家での不安要素を見つけ「お風呂、手すりつけた方がいいんじゃない?」などと切り出すのがベストだそう。
「可能であれば、親の通っている病院に一緒に行って、担当の医師にご挨拶するといいですね。体のことを本当に気づかっていることが親に伝わりますので、これをきっかけに、親からお金の話を切り出してくれることもあります」と安田さん。これなら、無理なく親を心配する気持ちをストレートに伝えられそうです。
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