不眠の原因って?
30代後半~40代前半のまだ閉経ではないのに、更年期障害と同じような症状に悩まされるケースが最近は増えています。これが「プレ更年期」と呼ばれる状態です。
女性の体は、実は30代半ばが女性ホルモン分泌のピークです。その後、30代後半から少しずつ女性ホルモンは減り始めるので、プレ更年期になると、少しずつ心と体の不調が出やすくなります。それにともなって睡眠の悩みも増え始めます。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。日中に活動する時は交感神経がメイン、寝る時は副交感神経がメインにはたらきます。
プレ更年期で女性ホルモンが少なくなると、ホルモンのバランスの乱れについていけず、自律神経が不安定になります。その結果、睡眠に関係する副交感神経への切り替えがうまくできなくなり不眠の原因となります。
さらに、プレ更年期の体の変調や過労や仕事や育児などのストレスが加わると、睡眠に悪影響が生じてしまいます。
続いて、プレ更年期の不眠を改善する方法をご紹介します。
1.生活習慣の工夫で睡眠の質を向上!
寝る時間にはこだわる必要はありませんが、朝はできるだけ同じ時刻に起きて、太陽の光を浴びるようにしましょう。
食事は寝る3時間前、お風呂は寝る1時間前が睡眠の質を上げるベストなタイミングです。熱いお風呂にはいると、交感神経を刺激してしまうので、ややぬるめの温度(38~41℃)でゆったりと湯船につかるようにしましょう。
2.安眠のための飲み物を取り入れてみる!
寝る前は、アルコールやカフェインなどの神経を高ぶらせる刺激物を避けましょう。
カモミール、レモンバームなどリラックスして安眠を助けるハーブティーもおススメです。
3.一時的でも良いので即効性が欲しい!という場合は「睡眠改善薬」を
「明日はどうしても早起きしたい」「即効性が欲しい」という場合には「睡眠改善薬」を試す方法もあります。
例えば、薬局で購入することができる「ドリエル」という睡眠改善薬は、寝つきが悪い、眠りが浅いといった一時的な不眠症状に使用されます。
脳を興奮させるヒスタミンの働きを抑えることで、一時的な睡眠の改善に役立つ薬です。
4.根本的に不眠を治したい人には漢方薬がおすすめ
「西洋薬の副作用が心配」「一度飲み始めたらやめられないのではないかと不安」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
西洋薬よりも副作用が少ないとされておりますし、一時的な効果ではなく、体質自体の改善に働きかけるため、根本的な解決につながります。同じ症状を繰り返したくない方に最適です。
また、健康的な生活習慣を毎日続けるのは苦手という場合も、医薬品として効果が認められた漢方なら、毎日飲むだけで効果が実感できるので、手間なく気軽に継続できますね。
<不眠の症状に使用されることが多い漢方>
●加味帰脾湯(かみきひとう)
気持ちが落ち込み気味で寝つきが悪い、眠りが浅く夢をよくみる方に
●酸棗仁湯(さんそうにんとう))
疲れているのに眠れない、何度も目が覚める方に
●柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう))
ドキドキ感があったり、小さな音が気になって眠れない方に
ただし、漢方薬を選ぶ際は自分の体質に合ったものを選ぶ事が大切です。
体質に合っていない場合、効果が出ない、副作用が出ることがあります。購入時にはできる限り漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談ください。
自分に合った漢方薬が知りたいけど、近くに漢方専門薬局がない…という方には、インターネット上で漢方の専門家に相談できるAI漢方もおすすめですよ。
食事や入浴の時間の工夫や漢方薬で不眠を改善しよう!
プレ更年期に多い不眠の原因と対処法についてお話ししてきました。
「以前はよく眠れていたのに、最近眠れない」
その不眠は、女性ホルモンの減少によって起きる自律神経の不安定が原因かもしれません。
質の良い睡眠が得られると、気分の落ち込みなども改善します。
日中を活動的に過ごせるようになるため、それがさらに良質な睡眠をもたらし、すっきり目覚められるようになりますよ。
良い睡眠は生活のリズムが整いやすくなり、体内のホルモンのバランスも保たれやすくなるので、肥満やメタボリックシンドロームといった生活習慣病の予防につながります。抑うつや不安などのこころの不健康も予防します。
漢方をとり入れたり、食事や生活習慣の工夫、リラックスを心がけて、質のいい睡眠を手に入れましょう!
この記事を書いた人
漢方薬・生薬認定薬剤師 清水みゆき
JAMHA認定ハーバルセラピスト
製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務し、漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。
現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中です。
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