心に「メイク」を施した背景には、「過去の体験」が
前回お伝えしたように、周りから見れば人生が「順風満帆」に見えても、自分自身は生きにくさや不安を抱えている女性がたくさんいます。人生がしっくりこないと感じる理由は、心に不必要な分厚い「メイク」をしてしまっているからかもしれません。
本来、メイクは自分の魅力を引き立たせますが、心の「メイク」はその人の魅力を隠し、まるで別人のようにしてしまいます。
そもそも「すっぴん」に自信があれば、分厚い「メイク」は必要ありません。「メイク」をしてしまう裏側にあるのは、「自信のなさ」なのです。
「ありのままの私ではダメだ。なぜならば◯◯からだ」
この〇〇には、「しっかりしていない」「だらしない」「能力がない」「かわいくない」など、自己嫌悪の言葉が入ってくるはずです。
では、なぜ「◯◯」だと思い込むことになったのでしょうか?
その背景には、「過去の体験」があります。
人は生まれてから、徐々に自我が目覚めてくると、「親を助けたい、親の力になりたい」という気持ちも目覚めてきます。ところが、幼い子どもは無力でその思いを叶えられず、「自分には力がないんだ」と無力感や罪悪感を覚え始めることもあります。
特に、両親がケンカばかりしていたり、肉体的・精神的に弱かったりすると、この無力感を強く感じやすくなります。なかには、「自分の存在なんて迷惑じゃないか?」と感じ始める敏感な子もいます。「ありのままでは愛されない、認められない」ということを学習してしまうのです。
もちろん、それは誤解ですが、子どもたちは「こうすれば愛される」「こんな自分なら認めてもらえる」という方法を探り始めます。
ここで、心に「メイク」をしてしまったクライアントの女性たちが、子ども時代に置かれていた環境の事例を紹介します。
・親が世間体をとても気にする人だった
・親や学校の先生から過剰な期待をかけられて、それに応えようと頑張ってきた
・両親が共働きで忙しく、辛いことがあったり悩んだりしても、一人で何とかしてきた
・できのいいきょうだいと比較されることが多かった
・家族のために自分を犠牲にしてきた
・親のいいなりになる「いい子」になり、手のかからない子として成長してきた
・親に尊重してもらえなかったと感じ、「自分は迷惑な存在だ」という思いを持つようになった
・親に褒められたことも愛情深い言葉も記憶になく、自分に価値がないと思うようになった
・「平和主義」の母親に育てられ、自分もひたすら我慢する毎日を送るようになった
・体育会系のクラブで猛練習に耐えるなど、頑張ることが当たり前だった
・子どもの頃から怖がりで不安症で、考えすぎてしまう
これらを参考に、子ども時代に自分はどんな思いを抱えて過ごしていたのか、想像してみてください。たとえ記憶になくても、自分の両親やきょうだいの性格から推測できます。
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