1苦労も悩みも共感できる!『長いお別れ』
父親(山崎努)の誕生日に帰省した長女(竹内結子)と次女(蒼井優)は、母(松原智恵子)から父が認知症になったと打ち明けられます。それぞれ協力しながら父を見守っていくことになりますが、長女も次女も私生活で悩みを抱えながら父の介護サポートを始めるのです。
介護は大変ですが、家族が前向きに協力しあう姿が良いです。長女は海外赴任した夫について米国暮らしをしていますが、まったくなじめず孤独な毎日。次女は恋人ができてもいつも振られてしまい「何がいけないんだろう」と悩む日々。介護の苦労も娘たちの悩みもまさに「あるある」なエピソードで共感度が高い!重いテーマですが認知症になったお父さんにユーモアがあるので、温かい気持ちになれる作品です。
(DVD/3,800円+税/TCエンタテインメント)
2変わりゆく家族の関係性を描く『ファミリー・ツリー』
ハワイ・オアフ島に暮らすマット(ジョージ・クルーニー)は、妻が事故で意識不明になってしまい大ショック。加えて、そんな最中に彼は妻が浮気をしていたことを知ります。それを教えてくれたのは娘。実はマット以外はみんな妻の浮気を知っていたのです!
妻の浮気について知らなかったのは夫だけ……。かわいそうというより、なんてダメ男なんでしょう! それは家庭を顧みていなかったという証拠ですからね。これは夫婦で観るといいかも。
家族も夫婦も、その関係性は変わっていくものです。家族の絆は、変わりゆく心や姿も含めて育んでいくのだということがよくわかります。マットは妻が倒れてやっとそのことに気づくのですね。そして、家族愛に溢れたラストには涙涙……。号泣必至映画です。
(Blu-Ray発売中/デジタル配信中/1,905円+税/発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン
3大家族の愛に心うたれる『フェアウェル』
3作品目は最新映画からご紹介!
N.Yで暮らすビリー(オークワフィナ)は祖母がガンで余命3ケ月と知らされます。でも祖母に余命を知らせないように親族は従妹の結婚式をでっちあげ、ビリー一家は結婚式出席を装い中国へ帰郷するのです。
余命を知らせるか知らせないか……。これは悩ましい問題ですが、「本当のことを知らせたい」というビリーはニセ結婚式にモヤモヤ。でもそんなモヤモヤした中、当の祖母は病気を患っていても、親族の主としてのパワーが衰えないのが凄いです。ビリーが祖母から逆に元気をもらっていく展開がいい! 中国の大家族の面倒くささと愛情深さがいいバランスで描かれ、それは日本の田舎の大家族にも似ていて、どこか懐かしさも感じます。
(2020年10月2日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)
認知症、夫婦の危機、おばあちゃんと孫、家族映画の内容は幅広いけど、いずれも私たちに関係あること、身近な問題ばかり。どう解決していくか、どう家族関係を築いていくか。その答えは映画にあるかも。感動しながら気づきも得られる作品ばかりです。
(構成&文/斎藤 香)
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