コロナ禍で男女平等が進むかも?
川村:私自身は、コロナ渦で男女平等が進むんじゃないかと思っています。企業はコロナによって在宅勤務が増えたので、家にいながら、なんなら子どもがいる空間でも働けるようになった。しかも在宅勤務によって、男性同士が結託しようがなくなってきたんですよね。男性同士でつるんで飲みにいったりとか、ランチに行ったりして「男性どうしでつるむ」コニュニケーションが確実に減った。在宅勤務となったら仕事の結果だけなんですよ。そうなると女性でもちゃんと結果を出していれば評価せざるを得ないし、そういう政治というか男性同士の仲良し同士の評価みたいなものがなくなってくる。
そうすると女性にとって働きやすいし、長く勤められるようになる人も増える。それによって男女平等が進むんじゃないかなって思っています。そうすると、家庭の中での発言権も増えると思うんですよ。
犬山:発言権はたしかにそうですね。女性も男性もなんですけど、経済力が強いほうが発言権をもって、経済力が少ないほうはあまり発言しちゃいけないっていう風潮がありますよね。俺のほうが稼いでいるから、お前が家事をやるのは当たり前だって言い分もしかり。
川村:それはありますね。おかしいですけど。
犬山:そうなんです。意外と当事者の女性側も気付かずに、稼ぎが少ない私のほうが家事を沢山するのは当たり前だって思いこんでいるところもあったりして、根が深い問題です。働いている時間はお互い同じくらいなのに、稼いでいる額が多いほうが家事をあまりしなくていいってめちゃくちゃな論理なんですけどそれがまかり通っているんですよね。
専業主婦の方は自分がメインで家事を担当するのは当たり前かもしれないけれど、発言権までそこでセットになっているのはおかしい。稼いでいるほうが何でもかんでも決めてしまうのって完全に夫婦関係を悪化させる気がします。
川村:家庭の中にお金をいくら稼いでいるかっていうのをいちいち基準としてもってくるのはおかしいですよね。おれのほうが仕事大変なんだ! って。稼いでいる方が大変って、そんな理論あります? 特に子育てや介護を担わせておきながら、稼ぎの額で大変さを決められたら、たまったもんじゃありませんよね。
犬山:逆に女性のほうが稼いでいたら女性のほうが発言権が強くなることだってあるんですけど、それだっておかしい。夫婦が対等な関係じゃなくて上下の関係性になってしまった場合、対等な関係に是正するにはどうすればいいかなって、できるなら結婚前に話し合っておく必要があるなと感じます。
犬山紙子さん、川村真木子さん プロフィール
犬山紙子さん
1981年大阪府生まれ。コラムニスト、イラストエッセイスト、コメンテーター。『負け美女 ルックスが仇になる』(マガジンハウス)でデビュー。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)、『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』(瀧波ユカリとの共著 筑摩書房)、など多数。2017年に長女を出産。児童虐待をなくすための活動 #こどものいのちはこどものもの ボランティアチアームのメンバー。
川村 真木子さん
奈良県生まれ。一児の母。高校時代に渡米、UCバークレーを卒業する。卒業後、米投資銀行ゴールドマンサックスを経て米大手投資会社に転籍。5万人のフォロワーを抱える社会派インスタグラム@makikokawamura_が人気。
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