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フードコーディネーター南恵子さんが「もう染めない」と決めた理由  #私たちの白髪問題

心と体

 フードコーディネーター南恵子さんが「もう染めない」と決めた理由  #私たちの白髪問題

2021.03.27

気になるけど聞けない、そんなリアルなお悩みのひとつが「白髪」。早い人は20代から悩む人もいますが、多くは30代後半ぐらいから少しずつ白髪が混じり始め、40代で本格的に悩むことが増えるようです。セルフで染めるべき?それともサロンで?はたまた、グレイヘア?悩めるアラフォー女性の気になる白髪問題をリサーチしました!

グレイヘアはナチュラルエイジングの象徴?!

「私たちの白髪問題」の連載3回目は、「グレイヘア」についてです。そもそも「グレイヘア」という名称がついたのも今世紀に入ってからでは? と思うのですが、どうでしょう?それまでは「白髪混じり」とか「ハクハツの」といった表現で、年配者、初老……というイメージしかなかったと思うのですが、この言葉が認知されたころから続々とその選択をした有名人がクローズアップされ始めました。思えば美魔女が持てはやされて、いわゆる自分磨きにやっきになっていた女性たちはアンチエイジング……そう、年齢と戦ってきました。しかし、ここにきて年齢を受け入れ、白髪さえも自分の年輪として受け止める、ナチュラルエイジング思考の女性たちが増えてきています。このことは、いったい何を意味するのでしょうか?

男性には年齢なりの「カッコよさ」があるけど……

この記事を書くにあたって、40代から50代のグレイヘアの男女数名に話を聞いたところ、男女の「白髪問題」に大きな差があることに気づきました。

男性は「白髪が出てきても染めたことは一度もない。」「なんなら吉川晃司、いや玉置浩二みたいになりたい」「この年で真っ黒に染めるなんて、ヅラ疑惑が沸きそう」などなど…白髪に肯定的な意見が多く、白髪染めに対してはアンチの声もでてくるほど。

これに対して女性は「本当は毎月きちんと染めたいけれど時間とお金の問題でやめているだけ」「ずっと染め続けることがしんどくなって、普段はグレイのままにしているけど、外出や人と会う時は、セルフカラーで染めている」といった具合で、グレイヘアを自ら選択しているのではなく「仕方なく」そうなってしまっている、といった印象です。

実は、筆者自身も50代の白髪世代。40代後半から定期的にサロンに行ってカラーをしています。今のところ、サロンに行くことが億劫でなく、むしろ気分転換にちょうど良く感じているので、しばらくはこのスタイルのつもりですが、もし白髪染めを辞めるとしても、グレイのままでいるのは少し勇気がいるな…と感じます。特別、美容にお金や思いをつぎ込んでいるタイプではないのですが、なぜかグレイに抵抗感が…もしかすると私と同じ感覚の人もいらっしゃるでしょうか?

……そんなあなたのために、「どうして女性は白髪を染めるのか」「グレイヘアを選んだ女性は、何をきっかけにそうしたのか」、その真相に(できるだけ)迫ってみたいと思います。

「もう染めない」と決めたんですーー南恵子さんを訪ねて

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「なんとなく」とか「面倒だから」という理由以外で、白髪を染めずにいる人のお話を聞いてみたいと思い、以前取材でお目にかかったことのある、フードコーディネーターの南恵子さんを訪ねることにしました。南さんは自宅で茶道教室を開いておられるため、お稽古日には着物で過ごされます。きちんと丁寧に編み込まれたグレイヘアがとても自然でとてもおしゃれ! 唯一無二のご自身だけの美しさがそこにありました。

――とてもキレイなグレイヘアをされていますが、南さんは白髪染めをされたことはないんですか?

南恵子さん、以下、南さん:サロンで染めたことはありません。若い時から白髪があったので、35歳くらいから前髪だけを白く残してハイライトのようにしていたのですが、それもある程度の年齢になると老けて見えると感じて、地肌にやさしい昆布由来のもので自宅で染めていました。でも、セルフカラーはとても時間がかかるし、あちこちに染料が飛んでしまって、あとの掃除がとても大変でした。少しくたびれていたときに、近藤サトさんなどグレイヘアの方が話題になり始めて、その時に夫が「こういうのがいいんじゃない?」と言ってくれたんです。

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――移行期はどうされていましたか? 何度かトライしてもまたヘアカラーに戻ってしまう人もいると聞きましたが、うまく乗り越えられましたか?

南さん:ちょうど今のこの家に引越しをする頃で、お茶の教室も同時に移転することもあって、とても忙しい時期でした。私自身は「もう染めない」と決めていたんですが、やはり白くなりだすと「やっぱり染めた方がいいんじゃない? 70歳のおばあさんならいいけど、まだそんな年齢ではないのに。」と夫が言ったんですね(笑)。なので、顔回りとか目立つ表面のところを自分で少しだけ染めるようにしました。一見外から見えない内側は白いままで、目立つところだけを染めるので、髪全部を染めるのと違って液だれも少なくて、とても楽でした。

――今は全く染めていらっしゃらないですよね? ということは、その顔回りを染めるのもやめられたということですか? ご主人の指摘にも負けず、白髪染めに戻らずにグレイヘアを貫けた理由はどこにあるんでしょうか?

南さん:お茶を教える仕事というのは「若く見える方がいい」という世界ではなかった、というのが大きいかもしれませんね。若い時から資格を持っていたのですが、生徒さんと間違われることも多くて、そんな時は「もっと年上に見られたい」と思ったこともあったんです。80代、90代の先生方もいらっしゃって、みなさんその年齢なりの着物の着こなしやおしゃれの仕方をご存じで「素敵だな」と思っていました。周りにそういう方がいらしたから、髪が白くなることに抵抗がなかったのかもしれませんね。

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――以前お会いした時も、今日もですが、お肌が本当にツヤツヤです。髪もとても美しいのですが、なにか秘訣はありますか?

南さん:疲れて見えたり、手入れを怠っているように見えないように、髪は胸くらいに伸ばして、いつもまとめるようにしています。肌の手入れも特別なことはしていませんが、毎日きちんとするようにしています。あと、着物は姿勢がよくなるし、襟もとの襦袢の白で肌の色が映えるんですよ。

――白髪染めをやめたことで、似合う色が変わったとか、なにかおしゃれに変化はありましたか? 

南さん:以前からグリーンは似合わないと思っていたのですが、明るいグリーンを着るようになりました。最近、久しぶりにカットをしたときに、スタイリストさんが「白髪とカールは相性がいい。」と言われて、髪を巻いてもらったのがとても気に入りました。カチューシャと合わせるとダウンスタイルでもお洋服と合いそうだな、と思えたので、今後は新しいファッションにも挑戦したいですね。

――最後に、グレイヘアに興味のある女性にアドバイスを

南さん:興味はあっても、なかなか決心できない人もいると思いますが、きちんした理由があった上で「もう染めない」と決めた方がいいと思います。単に「もうそんな年齢だから染めなくていいか」とやめてしまうと、誰かに「染めないの? 白いままなの?」と言われたときに少し悲しくなるかもしれません。私は仕事や転居のタイミングが重なって、少し自分でもイメージを変えたいとか、チャレンジしたい気持ちがあったから、移行期間も乗り越えられたのもしれませんね。

男性は年齢なりのカッコよさが存在するのに対し、女性の場合は「美しさ=若さ」と考えられてしまうことが多いようです。多くの男性が白髪を染めないのは、貫禄や渋さを演出できるアイテムとして白髪を捉えているからだと感じました。女性にも年齢なりの美しさに挑戦する勇気があれば、と思うのですが、現実はなかなか……。でも、無理に「年だから」と決めつけてグレイヘアを選んでしまうのは禁物です。もしもチャレンジしたい!と思うのであれば、心身共に充実した時期を選ぶと良いかもしれません。何かを目指して前向きでいるときや、懸命に新しい課題に取り組んでいる時などは、ありのままの自分と向き合っている時でもあります。そんな充実した時間を過ごしているときには、グレイヘアが似合うかもしれません。

グレイヘアが、夢を叶えた女性の勲章のような……そんな美しい称号になる時代がくるのは、きっともうすぐ!です。

お話を聞いたのは…南恵子さん 

お茶と食の文化サロン 掬水舎を主宰 NR・サプリメントアドバイザー、フードコーディネーター、エコ・クッキングナビゲーター、日本茶インストラクターなどの資格取得。現在、食と健康アドバイザーとして、健康と社会に配慮した食生活の提案、レシピ提供、執筆、講演等を中心に活動。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター歴20年。「あなたに逢いに行きます」取材ではなく出会い、インタビューではなく会話。わかりやすい言葉で丁寧に「ひと」を伝えます。好きなものは、サーフィンと歌舞伎、主食はチョコレート。#人生はチョコレート

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