理系美容家が教える【お風呂の効果的な入り方】美肌になれる人となれない人の違いって?

心と体

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 お風呂の正しい入り方

2021.02.12

初めまして、理系美容家のかおりです。なんとなく体や肌に良いと思っていたことが逆効果だった! ということがないように「科学的根拠のある正しい美容知識」をお伝えしています。 今回はお風呂のおはなし。

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お風呂で美肌になるメカニズム

「お風呂入ると、肌の透明感が増して綺麗になる気がする!」そんな実感をしたことのある方は多いのではないでしょうか?
ところが、入浴方法を間違えるとかえってお肌の乾燥を招く結果に成りかねません。今日は、お風呂の美肌効果と、スキンケアのために知っておきたい入浴法についてお伝えしていきます。

綺麗な肌を育てるために大切なことは、「肌の新陳代謝と高めること」。そのためには、肌の隅々まで毛細血管を張り巡らせ、酸素や栄養素がたっぷりの血液を運んだり、老廃物を運び出したりすることで肌作りの環境を整えることが重要です。

身体が温められると、肌の血管は拡張することで体の中心部から温まりすぎた血液を体表面で冷やそうとします。ところが、入浴時は体中がお湯に囲まれているため更に体表面の血液が温められ、全身を巡ることによって効率よく血流が促進されるのです。

さらに水中では身体は水圧を受けるため、お風呂から出る時に圧力から解放されると血流が一気に巡りやすくなるという側面もあります。血行促進によって肌の新陳代謝が向上すると、肌のバリア機能が整うことで潤いのある肌に導かれます。また肌に血行は肌に血色を与え、疲れると現れやすい黄ぐすみや目の下の青クマを改善させることもできるのです。

実は、入浴直後に見られる明るくて透明感のある肌は一時的なもの。肌の最表面にある角質層の水分量が多いと光が散乱するために肌が綺麗に見えるのです。本当に美しい肌は、毎日のお風呂習慣によって育まれます。是非、毎日のお風呂の時間を大切にしてみてくださいね。

乾燥肌への分かれ道!?誤ったお風呂の入り方

お風呂による美肌効果の恩恵を受けるために、気をつけなくては行けないポイントは二つあります。

一つは「時間」。saita読者によるアンケートによると、湯船に入る時間は6~10分が40.5%が最も多く、次いで15分以上が26.1%、11~14分が23.4%となっています。

お風呂に浸かる時間

実際はどれくらいの時間が良いのでしょうか?

肌の角質層は水分を過剰に含むとバリア機能が低下するため、やがて水分が蒸発すると元の状態よりも乾燥してしまうことさえあります。また、入浴中にも肌の保湿成分の一つであるNMFは少しずつ流れ出てしまいます。1回の入浴では15分程度がベストです。
 

もう一つは「温度」。saita読者によるアンケートによると、湯船の温度は41℃が40.5%と最も多く、次いで42℃以上が26.1℃、40℃が25.2℃となっています。

湯船のお湯の温度

こちらも、実際は何度くらいが良いのでしょうか?

実は、湯温が高すぎると保湿成分がますます逃げ出しやすくなる上に。血管が収縮してしまうために血液の巡りが悪くなってしまいお風呂の美肌効果を得ることが出来なくなってしまうのです。
これは「自律神経」と言う働きによるもので、昼間の活動時に活発になる「交感神経」と、夜間のリラックス時に活発になる「副交感神経」が湯温によって切り替えられられてしまうのです。

個人差はありますが、42℃以上のお湯では交感神経優位に傾きやすくなってしまうため、夏場は38~40℃、冬場は39~41℃以下のぬるま湯に浸かるのがお勧めです。汗をだらだらかくということは交感神経が活発になっている証拠なのです。

40℃程度のお湯に10~15分入れば、体温が約1℃上昇することが実験的に確認されています。また、入浴時、最もリラックスに有効な体温上昇率は1.1℃と言われいるんですよ。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

理系美容家かおり

理系美容家かおり

⼀般社団法⼈美容科学ラボ代表理事。理系美容家。化学専攻のリケジョという背景から、「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に従事。研究会や学会などで取得した知見を美容業従事者、消費者へわかりやすく情報公開し、美容の情報リテラシー向上に努める。美容セミナー講師や美容メディア監修、化粧品開発・PRコンサルティング等を行う。科学的観点から消費者に心理的・時間的負担を軽減した「お金と時間をかけない美容法」を提案。 MAQUIA(集英社)公式ブロガー、@コスメ ビューティースペシャリスト、入浴指導士 クイズ!脳ベルSHOW(BSフジ)出演など幅広く活動中。

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