手作りお菓子をおしゃれなカフェ風に! 盛り付けテクニック
株式会社サザビーリーグ・アフタヌーンティー・ティールームにて長年勤務、のちに人気カフェでのお菓子作りや販売、企画に携わるなど、これまで数えきれないほど多くのスイーツの開発を手掛けた経歴をもつ中島純代さん。
「【お手軽おやつ研究家おすすめ】100均グッズで本格的なバレンタインチョコが作れる!可愛く見せるラッピング法も!」では、バレンタインにおすすめのチョコレートレシピとかわいいラッピング方法や、100均グッズでのお菓子作りでのポイントをうかがいました。
今回のテーマは、おうちバレンタインを過ごす方が多いと思われる今だからこそ押さえておきたい「盛り付け方法」。家で渡すならと、ラッピングをせずにお皿に盛り付けて贈ることもあるのではないでしょうか。
中島さんによると、手作りお菓子の印象は、ちょっとしたひと工夫で変わるのだそうです。
実際にアフタヌーンティー・ティールームで勤務していたころも、お客様の目や心を惹くためには、おいしさはもちろん見た目の美しさも重要だと感じていたとのこと。
そこで、おしゃれなカフェで提供されるようなスイーツの盛り付け方のポイントを教えていただきました。
お菓子の見た目は、彩りのよさやデコレーションがカギ!
「手作りお菓子をおいしそうに、美しく見せるためには、彩りも大切です。ミントやハーブを添え、お皿の中にグリーンが入るだけでも彩りがよくなります。また、ソースやクリームをかけるスイーツの場合は、全体的にかけるのではなく、もとのスイーツがきちんと見えるようにかけたほうが見栄えがよくなります。お皿にも少し垂れるような盛り付けにすると断然おしゃれに。おうちで手作りのお菓子を楽しむときには、粉砂糖や生クリームなどをデコレーションして華やかにするとよいですよ」(中島さん)
ツヤのあるホイップクリームの作り方をマスターしましょう
スイーツに添えるデコレーションとして登場頻度が高い「ホイップクリーム」ですが、ボソボソしていると味わいはもちろん、見た目の印象も残念に。表面にツヤがあり、角がピンと立つ状態のクリームが望ましいそうです。
そこで、ツヤのあるホイップクリームの作り方を中島さんから伝授していただきました。
- 生クリームを入れるボウルは小さすぎない、大きめのものを用意します。
- ボウルに生クリーム(少なめの量で)を入れ、保冷剤を下に置いて冷やしながら、泡立て器で空気を含ませるようにして混ぜます。
※生クリームを入れたボウルよりも大きなボウルをもう一つ用意して氷水を入れ、2つのボウルを重ねて冷やす方法でもOKです。
「しっかりと冷やす」「少なめの量で混ぜる」「空気を含ませる」の3つのポイントを守ることで、ハンドミキサーがなくても手動で十分おいしいホイップクリームが作れるとのこと。ふわっとしたツヤのあるクリームを添えれば、家でもカフェのような贅沢なひとときが過ごせそうですね。
作り方をマスターしたところで、ホイップクリームをのせて今すぐ食べたくなる焼き菓子レシピを2つご紹介します。
簡単なのに本格的!おすすめ焼き菓子レシピ1「マーブルパウンド」
はじめにご紹介するのは、粉の計量も、ふるいにかけることも不要なセリアの「ミックス粉」を使って、手軽で簡単に作れるレシピです!
書籍の中でも紹介されている「マーブルパウンド」。
「作るうえでの注意点がほとんどなく、誰でも簡単に作りやすい焼き菓子です。マーブル模様をいかにきれいに出せるかがポイントですよ」(中島さん)
必要な道具と材料
◼︎必要な道具
- ボウル(ダイソー)※2つ必要です。
- 耐熱シリコンゴムベラ(ダイソー)
- 泡立て器(ダイソー)
- 計量スプーン(キャンドゥ)
- パウンドケーキ型(セリア) ※サイズは85×65×45mmのものです。このパウンド型で1台作ります。
◼︎材料
- パウンドケーキミックス粉(セリア)……1袋(100g)
- ココアパウダー(セリア)……小さじ2
そのほか、下記の材料が必要です。
- 無塩バター……40g
- 牛乳……小さじ2
- 卵……1個
材料(型を含む)だけなら400円程度、くり返し使える道具を含めても800円ほどで作れる本格的な焼き菓子です。
作り方(所要時間:40分)
1.常温におき柔らかくしておいた無塩バターをボウルに入れ、ゴムベラでクリーム状に練ります。このほかに、ココアパウダーと牛乳を合わせてよく練ったものも作っておきます。ここでオーブンを180℃に予熱しておきます。
2.手順1に、溶きほぐした卵を少しずつ加え、その都度、泡立て器でよく混ぜます。
3.パウンドケーキミックス粉1袋100gを加え、ゴムベラで底からすくいあげるようにして混ぜます。
4.生地につやが出るまでよく混ぜたら生地の3分の1量を別のボウルに移します。
5.別のボウルに移した3分の1量の生地に、用意しておいた練りココアを入れてゴムベラで切るようにしてよく混ぜ、ココア生地にします。
6.手順5でできたココア生地のボウルに、分けておいたプレーン生地を合わせます。ゴムベラで切るように大きく数回だけ混ぜてマーブル状にします。混ぜすぎないようにしましょう。
7.型に生地を入れます。生地の周囲をゴムベラで押す感じでなるべくマーブル柄を触らず、崩さないように流し入れます。
8.表面はさっとならし、型を少し持ち上げて一度落として生地の中の空気を抜きます。天板にのせて180℃のオーブンで20~25分焼きます。オーブンにより焼き時間は異なるので調整してください。
9.焼き上がったら金網の上にのせて冷まします。
型から外してカットしましょう。
「マーブルパウンド」の完成です。
作り方のポイントは、生地の質感を保つに、作り始めたら手早く作らなければならないため、無塩バターをクリーム状にすぐ練られるように事前にやわらかくしておくことです。作ろうと思ったときにすぐに作れるように、バターは早めに常温においておきましょう。
「バターがクリーム状になってさえいれば、あとの工程はスムーズに進みます。ミックス粉を入れたときは生地につやが出るまでよく混ぜることと、ココア生地を作るときには、よく混ざるようにしっかり混ぜましょう。ただし、プレーン生地とココア生地を合わせたら混ぜすぎ注意です! マーブル模様をきれいに出すためには、もっと混ぜたいけれどやめておこう……という数回のみに留めておくことが重要です」(中島さん)
簡単アレンジを加えると、楽しみ方は2倍3倍!
完成して冷ました後、常温でそのまま食べてもおいしい「マーブルパウンド」ですが、ちょっとしたアレンジを加えるとより贅沢なスイーツに変身させることができます。
「パウンドケーキを冷蔵庫で冷やしておき、加糖ホイップクリームを添えることでより一層ビターな味わいが引き立ちます。その際は、生クリームに砂糖(生クリームに対して10~15%程度の分量)を加えて混ぜたホイップクリームを用意しましょう。また別の楽しみ方をするなら、スライスしたパウンドケーキをトースターで軽く温めて冷たいバニラアイスを添えるアレンジ方法も。簡単なアレンジを加えるだけで楽しみ方が広がりますよ!」(中島さん)
「聞いているだけで、すでにおいしそう……!」
ということで、中島さんレシピの「マーブルパウンド」を実際に作り、おすすめのアレンジ方法を試してみました。
こちらが、焼き上がり後に冷ましてスライスした状態の「マーブルパウンド」です。
しっとりとした生地に、ほんのり香るココアのほろ苦さが絶妙!
マーブル系のお菓子作りは初挑戦でしたが、中島さんのレシピどおりに行えば失敗なしです。
そのまま全部食べてしまいたい気持ちを抑え、軽くトーストしてバニラアイスを添えてみました。
トーストすることで外側の食感がカリッとし、温かいケーキと冷たいアイスのコンビネーションが最高! 自宅でも贅沢な気分が楽しめます。
そして中島さんから教えていただいた、前述の「カフェ風盛り付けテクニック」を実践してみました。彩りをよくするためにミントを添え、もとのスイーツが見えるようにしつつ、お皿にもかかるように粉砂糖をトッピング。
見栄えの差は歴然ですね。
ポイントを押さえておけば、自宅でもカフェ風スイーツが楽しめるようになります!
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