片づけはまず部屋割りから見直す
――さまざまな片づけ方法を試してきても結局部屋が散らかりリバウンドするという方も多いですが、書籍『これが最後の片づけ!』では、片づけをする際に「部屋割り」から始めるとあります。そこが最も大切なことなのでしょうか?
そうですね、私は「家を片づけてもリバウンドしてしまって、どうしたら良いかわからない」という方に今までたくさん出会ってきました。
お片づけのプロに頼んで一部分だけ片づけたとしても、物は流動的なので他の部屋の物がやってきて、すぐに戻ってしまうと思います。おうちの中は一つ片づいていない部屋があると「ココの部屋よりマシ」と思って物を置いてしまい、他の部屋に物が流れていきます。おうち全部が片づけきらないと必ずリバウンドするので、私のお片づけレッスンでは、部屋割りから見直し片づけを進めていきます。
――元々狭い家に住んでいて、個人の部屋を作れないという方もいると思いますが、そういうときはどうしたらいいのでしょうか?
もちろん狭い部屋しかないという方もいらっしゃいますよ。以前、8畳と10畳の二間しかないという方もいらっしゃいました。そんなときは部屋の中をゾーンで分けます。10畳のリビングの前方が家族がくつろぐスペース、後方は身支度をするスペースというように。
部屋がないからプライベートとパブリックのスペースが分けられないわけではなく、部屋の前方後方、左右などゾーンをきっちり分けることで、部屋の役割を果たすことになります。そういうご家庭はいっぱいありますので、諦めることはないんですよ。
子どものおもちゃは子ども部屋に置くのが基本
――子どもの物をリビングに置かないほうがいいと書籍にありました。子ども部屋がまだない方や、家が狭くて子ども部屋を作れないときは子ども用のスペースを作るということでしょうか?
そうです。今お話しした方のご家庭もお子さんが2人いらっしゃったので、廊下のデッドスペースに稼働棚を作りおもちゃスペースにしました。
一般的なマンションなどで、いつか子ども部屋にしようと思っている部屋がある場合は、お子さんが小さいうちからでも子ども部屋を作り、そこにおもちゃを置きましょう。そうでないと、リビングにおもちゃを置いた時点でおもちゃの「総量」が分からないんです。リビングに棚を置いておもちゃを置き、さらに子ども部屋など別な部屋に大人の物と混ざっておもちゃを置いているご家庭は多いです。このように2つ以上の部屋にまたがって物を置くと、一つの部屋に持ってきたときに収まりきれないほどすごい量になります。
子どもでも幼稚園や保育園では自分のロッカースペースがありますよね。私はお絵かきをいっぱいするからロッカーを2つ使うとかはしないですね。だから枠を決めるということが大事です。子どもにも「この枠の中でおもちゃをやりくりするんだよ」と伝えやすいし、子どもも視覚的に「このスペースがあるからあのおもちゃが置ける」と自分の頭で考えられるようになります。
――子どもが小さいときは、親が見ていないといけないのでリビングなどで遊ばせることも多いですよね。
お子さんが小さいときは安全性をまず考える必要があります。赤ちゃんのときなど親が常に子どもを見守らないと危ない年齢なら、例えばテレビボードの引き出し2つ分におもちゃを収納するなどもいいでしょう。
でも幼稚園に行く年齢のお子さんなら、お片づけできる年齢です。基本的には子ども部屋を作り、そこに子どものおもちゃを置きましょう。リビングで遊ぶときには遊びたい物だけを持ってきて、遊び終わったら子ども部屋に片づけます。
蓋付きのカゴのような入れ物をリビングに一つ用意して、遊び終わったらそこにおもちゃを入れて、子ども部屋に片づけようと言えばいいのです。プラレールやおままごとなど全部リビングに置くから散らかりやすいんですね。拝見しているとそういうおうちがほとんどです。
――絵本はリビングに置いてもいいとありますね。
大きな音がわんわんなるような変身ベルトとかプラレールなどを置いてしまうと、リビングがすごく騒々しいことになってしまいますが、子どもとの会話が増えたり、家族で楽しい時間を過ごせたりする絵本やカードゲームなどは、この枠の中だけと決めてリビングに置くのは良いと思います。穏やかで気持ちで毎日過ごせて、子どもや家族との関係が良くなるように考慮すると、音がなる物でなく、絵本などをリビングに置くのは良いと思いますよ。