「パパの育休、我が子の時代にあったらよかったのに」と思うすべての人に捧ぐ #パパの家庭進出がニッポンを変える!

家族・人間関係

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2021.07.27 更新

夫婦で一緒に家事に取り組む「家事シェア」。 saita世代である40代より少し上であれば考えられないことかもしれません。しかし、今や夫婦共働きは当たり前の時代。家事シェアは円満な家庭を築く上でも大切なこととして少しずつ浸透してきています。今回は、「パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!ママの社会進出と家族の幸せのために」(光文社)の著者である前田晃平さんと、日本唯一の家事シェア研究家の三木智有さんのお二人に、男性からみた家事・育児について、また、最近話題の男性の育休についてお伺いしました。

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まだまだ家事は女性が担うものという時代

1999年に公布・施行された男女共同参画社会基本法。
男女共同参画は英語で「Gender equality」と表し、直訳すると「ジェンダーの平等」という意味です。「男性は仕事」「女性は家庭」という価値観に縛られず、男女がお互いをパートナーとして尊重しあう、また性別にかかわらず、様々な生活の場面で一人ひとりの個性や能力を十分に発揮できるようにという想いから誕生しました。

また、2016年に施行された女性活躍推進法は、仕事で活躍したいと願う女性を後押しする法律です。しかし、会社で執行役員の女性比率は低いまま、政治の世界でも女性議員の数は伸びていないのが現状です。まだまだ男性優位社会の日本。実際、記者の周りの友人たちを見ていても、女性を中心に家事育児が回っているように感じます。

このことについて、すでに「家事も育児もシェアが当たり前」というお2人からの今の日本の課題や解決方法などについて意見を聞いてみました。

ジェンダーギャップ指数、日本は156か国中120位というヒドイ結果に

前田さん:2021年のジェンダーギャップ指数が3月に発表されました。この指数は、『経済』、『教育』、『政治』、『医療』の4つの分野のデータから作成されるのですが、日本の順位は156ヵ国中、120位。教育と医療に関しては世界でもトップクラスでしたが、経済と政治の分野で足を引っ張っているため、先進国の中でも最低レベルという結果となりました。

家事の負担、仕事の昇進、どこで差が?出典:stock.adobe.com

前田さん:一つの理由として考えられるのは、家事、育児の負担が女性に著しく偏っていることです。男性と比べ女性は働く時間が圧倒的に少なく、キャリアアップにつなげることができません。このような境遇が当たり前となっていくと、意欲も生まれません。すると、『女性は働く気がないんだ』とみなされ、どんどん機会を失っていきます。このような悪循環が変わることなく続いているためにジェンダーギャップ指数はいつになっても上がらない。悪循環になっているなと考えています。

なぜ男性の育休取得率は向上しないのか?

三木さん:やはりまだまだその価値観はありますよね。結婚したいと思った女性が料理を頑張る、などということもあり、誰が悪いというよりも普段の生活や価値観に染み付いてしまっているところも大きそうです。
ただ、普段の生活では男女関係なく大学に行ったり、就職したりと男女差は感じずに生きられる世の中なように思います。一番ジェンダーギャップに悩むのは「出産」したときなのではないでしょうか。だからこそ、最近成立した改正育児・介護休業法は超重要だと思っています。“男性版産休”の異名を持つこの法案は確実に一つのカギになります。

男性も産休がとれるように!出典:stock.adobe.com

三木さん:私のところにもこの法案が可決されるかもとニュースになったあたりから多くの企業から男性の産育休について研修を行ってほしいという依頼がきます。これは会社として男性の育休取得率を向上させたいという意図があり、人事部は頑張っているように見えます。しかし実際のところ、男性の育休取得率はさほど上がっていません。これは、会社は育休をすすめてくれるものの、子育てを終えた世代からの理解が得られず、実際のところ取得しにくいということに理由があるようです。子育てを終えた上司の世代の意識を私たちが変えないことには、男性の家庭参加は増えず、いつになっても男性の産育休取得率も上がらないと思います。すでに自身の子育ては終えようとしているマネージャー世代の理解が一番大事だと思っています。

男性の育休取得率の向上は、40代がキーパーソン!

さらに前田さんは、ノルウェーの例をあげて今後の日本の育休制度の未来についてお話くださいました。

前田さん:ノルウェーでは1977年に男性の育児休業制度が誕生しましたが、当時は今の日本と同じく取得率は低かったんです。しかし、1993年にクオータ制(候補者や議席の一定割合を男女に割り当てる制度 。quotaは「割り当て」という意味)を導入し、2018年には男性の育児休業の期間は15週となり、現在では約90%の方が育休を取得しています。この変化は30代、40代の中間管理職が勇気を持って育休を取得したからだといわれています。ですから、日本もまさにsaitaの読者層の40代以上の方がキーパーソンなのです。育休を取得することをためらっている男性がいればぜひ、背中を押してあげてください。また、パートナーの部下がこれから育休を取ろうとしているのであれば、その重要性をパートナーに話してください。そうすれば、何年後かに日本もノルウェーのように変わるかもしれませんよね!

令和を男性の家庭進出の時代に!

いかがでしたか?
今すぐに変化を求めることは難しいかもしれませんが、女性が時間をかけて社会進出したように、男性も積極的に家庭進出できる時代になればいいなと思いました。

お話を伺ったのは

前田晃平さん

認定NPO法人フローレンスでマーケティング、事業開発に従事。政府・行政に政策を提案、実現するソーシャルアクションも行っている。2021年5月に「パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!ママの社会進出と家族の幸せのために」(光文社)を発売。前田晃平さん

 

三木智有さん

三木智有さん

家事シェア研究家 子育て家庭のモヨウ替えコンサルタント
フリーのインテリアコーディネーターとしての活動後、本当に居心地の良い家庭には家事育児を夫婦で楽しむ事が大切と知り、家事シェアを広めるためNPO法人tadaima!を設立。夫婦での家事分担だけでなく、子どもへの家事教育を地域で担える場作りも行っている。

夫婦で読みたい!『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!ママの社会進出と家族の幸せのために』

子育てしやすい国は、みんなが生きやすい国!今日からできることを考えよう。
「パパの家庭進出なしにママの社会進出はありえない」!必読の1冊です。

パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!出典:www.kobunsha.com

パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!ママの社会進出と家族の幸せのために
光文社
1540円(税込)

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