自分の母親が専業主婦で「家事は女性がやるもの」だと思っていた自分が変わったキッカケ #パパの家庭進出がニッポンを変える!

家族・人間関係

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 どうやったらうちの夫は家事するようになるの?

2021.07.30

夫婦が結婚をして、長い年月を一緒に過ごしていく過程で、必ず一度は家事と育児について話し合う機会があるかと思います。認定NPO法人フローレンスでマーケティング、事業開発に従事している前田晃平さんと、NPO法人tadaima!の代表で日本唯一の家事シェア研究家である三木智有さんは、どのようにして家事・育児の時間を費やしているのかを伺いました。

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もくじ

フルタイムで働いていた妻が妊娠して初めて気づいたこと!
妻の「ある一言」で大きく方向転換!
妻に家事任せの夫を変えるには?
お話を伺ったのは
前田晃平さん
三木智有さん
夫婦で読みたい!『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!ママの社会進出と家族の幸せのために』

フルタイムで働いていた妻が妊娠して初めて気づいたこと!

これまでバイヤーやマーケティング、新規事業開発などに携わってきた前田さん。
妻の妊娠と転職がご自身の考えを大きく変えたといいます。

三木さん:前田さんはずっと家事は「2人でやるもの」という意識でいましたか?

前田さん:今では積極的に家事・育児に参加をしていますが、僕だって妻が妊娠するまでは家事が夫婦の問題事なんだということに気付いていませんでしたよ。
気付いたキッカケはやはり妻の妊娠です。フルタイムで働いていた妻が妊娠して、家事も育児も2人でシェアしないといけないとリアルに感じ始めました。2人ともすでに忙しさ100%で生きているところに子どもが生まれてくるわけですから、お互いに都合をつけないといけないよね、と……。
正直、終身雇用や年功序列もなくなり、稼ぎだって夫婦で協力しないと不安な昨今です。つまり、妻が今の仕事を継続するにはどうしたらいいのかは彼女の問題ではなく私たち夫婦の問題。子どもが生まれたあとはどのようにして支え合っていけばいいのかと、2人の課題を明確にしたことが良かったと思っています。
さらに現在の職場、認定NPO法人フローレンスに転職したことで女性の「産後うつ」や「自殺」の問題に直面しました。そこでさらに「これはまずいぞ」と。自然と考え方が変わり積極的に家事・育児と向き合うようになりました。

妻の「ある一言」で大きく方向転換!

三木さん:前田さんの場合は勤務されている環境が周産期の情報が多いので、気付きやすいですよね、素晴らしいです。
私は今でこそ『家事シェア研究家』として活動をしていますが、じつは結婚当初は女性が家事・育児を担って当たり前だとおもっていました。というのも、育った家庭も母が全部家事も育児もしていました。しかも女性とお付き合いするとごはんとか作ってくれるじゃないですか。女性は家事を積極的にやりたいんだとすら思っていました。

前田さん:ははは、たしかに日本だとまだまだ料理上手が女性としての魅力みたいに考えられていたりしますからね。

三木さん:そうなんですよね、それで男の自分が稼いで妻を養わなければ! と思っていました。でも、妻から言われた言葉で目が覚めたというか、価値観を大きくひっくり返されました。
当時、起業を考えていた私は、収入源となる仕事を続けながら片手間で起業を考えていたんですよね。それを聞いた妻が僕に「私の給料でまかなうから、フリーの仕事はやめて起業に専念して!」と言ったのです。私は、「え?そんなことしてもいいの?」とびっくりしました。

夫婦で支え合うってどうゆうこと?出典:stock.adobe.com

三木さん:これまでは「男性が稼ぐもの」と無意識のうちに考えていたので、僕の中でそんな選択肢はありませんでした。しかし、妻の心強い一言に任せフリーランスの仕事は辞め、起業することに専念しました。
自分の収入源がなくなることは心配でしたが、妻の収入があったので家計としてやっていけました。ここから、どちらか一方の収入が減ったとしても、もう一方に収入があれば成り立つということを知りました。このことがきっかけになり、以降は家族に対して自分と妻の双翼で飛んでいくイメージを持つようになりました。つまり、同時に妻だけが家事をやるのはおかしい、自分もやらなければならないと自然に考えられるようになりましたね。そこからはお互いを尊重し助け合っています。

妻に家事任せの夫を変えるには?

ひとりで全部はつらすぎる!出典:stock.adobe.com

新型コロナウイルス感染拡大防止のためにテレワークがすすみ、家事や育児をシェアしやすくなった家庭も増えたと聞きます。しかしその中でもおふたりは家庭内で平等がデフォルトになり、尊重しあっていて「時代の先端」をいっているように感じます。
前田さんや三木さんのように家事に積極的に関わるきっかけがあり、自然と協力的になってくれれば理想ですが結婚してからずっと家事を妻任せにしているパートナーを変えることは難しそうです……!

前田さん:いろんなタイプの方がいるので一概には言えませんが比較的、夫は妻の深刻さに気付けていないところがあります。まずは、現状を紙に書きだすなどしてしっかり伝えてみてください。
言葉でツラツラ言っても、右から左に抜けますからきちんと可視化したほうがいいです。しかも、最近のパパたちはやっぱり自分の父親と比べたら「家事も育児もやっている」と思っています。
まずは、それぞれがやっていると思っている家事を書き出しあってみてください。すると差が顕著に見えますよ。我が家でもやりましたが、途中から「もう勘弁してください」って感じでした(笑)

それでも変わらないようであれば、ちょっとした強いアクションも時には大事だと思います。たとえば、家事をしません宣言をして一切、相手への家事をやらないなどもいいかもしれません。このときは徹底したほうがいいです。「ついでだし……」と、少し手伝うとか、優しくしなくていいんです!

三木さん:我慢比べになりそうですが、それくらいのことをしないとなかなか変わらないですよね。あとは一旦、冷静に「結婚して一緒に生きようと思った相手が、こんなに苦しんでいるのに、なぜ助けてくれないのか」と聞いてみてもいいかもしれません。男って鈍感だし、本当にまったく察せないんですよ。わかっていると思うけど……なんて枕詞をつけても「全然わかってなかった!」ってこと、多いんです!

 

お話を伺ったのは

前田晃平さん

前田晃平さん認定NPO法人フローレンスでマーケティング、事業開発に従事。政府・行政に政策を提案、実現するソーシャルアクションも行っている。2021年5月に「パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!ママの社会進出と家族の幸せのために」(光文社)を発売。

 

三木智有さん

三木智有さん

家事シェア研究家 子育て家庭のモヨウ替えコンサルタント
フリーのインテリアコーディネーターとしての活動後、本当に居心地の良い家庭には家事育児を夫婦で楽しむ事が大切と知り、家事シェアを広めるためNPO法人tadaima!を設立。夫婦での家事分担だけでなく、子どもへの家事教育を地域で担える場作りも行っている。

夫婦で読みたい!『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!ママの社会進出と家族の幸せのために』

子育てしやすい国は、みんなが生きやすい国!今日からできることを考えよう。
「パパの家庭進出なしにママの社会進出はありえない」!必読の1冊です。

パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!出典:www.kobunsha.com

パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!ママの社会進出と家族の幸せのために
光文社
1540円(税込)

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