「男性版産休」は「関係ない」と思っているひとにほど重要
「男性版産休」はたしかに「これからの世代」が取得できるので、すでに子どもがいて、これ以上誕生する可能性がない場合「うちには関係ない」と思ってしまうかもしれません。
しかし、そんな人にこそ「男性版産休」が超重要なことを認識してほしいと思っています。なぜなら、先輩の理解やススメがないと、この法律が形骸化してしまうからです。
「そんなこと言ったって、今までは母親だけで乗り切ったじゃないか」と思いますか? 喉元過ぎれば熱さを忘れる……じゃないですけど、やはり産後の大変さって、時間の経過とともに忘れがちです。
少しお時間いただきますが、産後~子どもが1歳になるまでを振り返って、「男性版産休」がめちゃくちゃ大事な理由を一緒に考えてみませんか。
僕自身は実際に産育休を取得しました。その経験から、どれだけ意義があるか、読み解いていきたいと思います。
「男性版産休」は家族全員の命を救う!
「命を救う」なんて言うと少し大げさなように聞こえるかもしれません。でも、これは大げさでもなんでもなく結構深刻なことです。
国立成育医療研修センターの調査から、産後一年未満の死因第一位が「自殺」であると言われています。
また、 他殺による死亡者数が一番多いのはじつは0才児だということもわかっています(※ 厚労省 人口動態統計2013)。
その原因として挙げられるのが「産後うつ」。
意外とこの事実を妊娠期間中に知っている人は少ないのではないでしょうか。知っていたとして「我が家は大丈夫、2人とも楽天的だし」なんて思っている人も多いのでは。
自主的に「男性の産休」を取得し、夫婦で乗り越えようとした我が家にとっても「産後ウツ」決して他人事なんかではなかったのです。
出生後から1ヶ月間、ぼくもこの時期の大変さをいろんなところから見聞きしていたので、産育休として仕事を休み、家で家事育児をしながら過ごしていました。(自分で決めてスケジュールを調整すればそれができるのはフリーランスの良いところです)
夫婦で一緒に育児をしていくなかで、お互いに育児にも少しずつ慣れてきたかなと思い始めたので、予定通り育休を終わらせようと思っていたのですがタイミング悪くというか、育休明け最初の仕事が「泊りがけの出張」になってしまいました。
2泊3日の出張です。慣れてきたかな? とは思いつつも2人でやれば慣れてきたレベルだったので、妻と子どもを2人残して出張に行くのは心配ではありました。しかし、妻も快く見送ってくれたので心配しつつも出張に出たのです。