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自分の気持ち、欲求は意外とわかっていない人が多いという話#男性から見た夫のトリセツ

家族・人間関係

2021.01.31

こんにちは、日本唯一の家事シェア研究家の三木智有です。 「なんで夫は言わないとわからないんだろう!」「こんなに言ってもわかってくれない!」なんて思ったこと、ありませんか?

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連載:男性から見た夫のトリセツ

意外と多いのは「現実的に無理」


家事を分担したい、シェアしたいんだけど、パートナーが気持ちをわかってくれない。「俺だって忙しいんだよ」と話が平行線になっちゃう。
そんな相談をよく受けます。

パートナーも「THE亭主関白!」みたいな感じなわけじゃない場合、どうにかしてあげたい気持ちはあるんですよ。でも、仕事が忙しくて「まあ現実的に時間も体力も無理ゲーです、どうしましょう?」という感じになっている場合が多いようです。

お互いがいっぱいいっぱいの現実の中で、なにか継続的な解決策を導き出そうと思うと、自分のリソース(余裕やゆとり)はもうパンパンだから、改善できない。現状維持が精一杯になり、結局変わらないので、同じ問題で喧嘩が何度も起こるという無限ループか、どちらかが諦めるパターンです。夫婦

自分自身の欲望を知ろう

でも文句なしで諦められるなら、そもそも喧嘩になっていないと思います。結局不満がたまっていってしまう。それはよろしくないですね。

とはいえ、人を変えるのは非常に難しい。
仕事にいっぱいいっぱいになっているパートナーが、突然目覚めたように定時で帰ってくるようになったり、「これからは家事育児はフィフティ・フィフティの時代だ!」ってバリバリやるようには……ならないのが現実です。

なので、変えるのは「パートナー」ではなくて、「自分自身の現実」が先です。
パートナーについては、自分の価値観で彩る(刷り込む)のではなくて、長い時間をかけて一緒に育んでいきましょう。

とにもかくにも、すぐに変えるべきは「自分自身の現実」。

では、その現実とはなんのことでしょうか。

自分の欲求をしっかり自覚してる?

家事をシェアするというのは、じつはとても枝葉の話や課題です。
その根本には、パートナーとの関係性への不満だったり、自分の自由が失われるような喪失感がある。

つまり家事をシェアすることで手に入れられるのは、パートナーとの良好な関係性や、自由に使える時間や気力だったりするのです。そしてそれが欲しいから「家事をシェアしたい」のではないですか?ここを間違えると、自分の欲求が「家事をシェアすること」だと勘違いしてしまって、家事を分担してもなんとなくしっくりこない、ということになります。

「家事をシェアしたい」の本当の望みは何?


さぁ、家事をシェアすることで得られた自由を使って、あなたがいま一番したいことはなんでしょうか?

「たった1時間でいいからカフェでお茶しながらのんびり過ごしたい」
「朝、なんにも気にしないでゆっくり眠っていたい」
「仕事がしたい」
「勉強がしたい」
「ショッピングがしたい」

どんなことでもいいですが、この「〇〇したい」という気持ちを言語化しましょう。
手帳なんかにリスト化しておいてもいいと思います。
自分自身の、「時間やゆとりで買える欲しい物リスト」です。

なぜ、いまさらそんなリストを考える必要があるのでしょうか。リスト

人はみな、「肩代わり」はいやだけど「プレゼント」はしたい

プロポーズをするときに「君の抱えているカードローン全額肩代わりするよ!」と言われた人はいないと思います。でも「結婚しよう!」と高価な指輪をプレゼントされた人はいると思います。

バカバカしい話ですが、たとえ借金の金額と指輪の金額が同じだとしても、人はプレゼントを選びます。べつにプロポーズじゃなくても同じです。

パパ講座などでも家事する理由を話していて家事をする理由を話す男性の態度が2つにわかれます。

「妻が大変そうだから少しでも楽になってもらうために」という人が気まずさや罪悪感を感じさせながら話す人と、「妻にひとりになる時間をプレゼントしたくて」という人です。後者の人は照れ笑いをしながら少し嬉しそうに話します。

この場合、妻がどう思うかはとりあえず関係ありません。
結果的に家事しているんだから、動機がどっちにあろうが構わないのです。

だけど、夫の気持ちとして「プレゼント」の感覚を持っている人のほうが嬉しそうにしている。
人は「肩代わり」はいやだけど「プレゼント」はしたいものなんです。

プレゼントを交換し合うようにする

「わたしはすでに不当に多くを担わされているんだ。それをプレゼントだとかなんだとか言うなんておかしい!」という意見もあるでしょう。ぼくもそう思います。四の五の言わずに「助け合えよ」って。

でも、その言葉や想いは現実をあんまり変えてくれません。
怒りや正論をぶつけて、相手の価値観が変わってくれるのならとても楽ですが、変わってくれない場合はまず自分の現実を変えていかなくてはならない。

現実を変えるとはつまり、「時間やゆとりで買える欲しい物リスト」を一つひとつゲットしていくこと。

ゲットしたリストは、あなたとパートナーとの関係性が縮まった証、資産になるでしょう。

そして、パートナーが当たり前のように享受している「時間やゆとり」(休みの日に遅くまでゆっくり眠っているとか)は、じつはあなたからの「プレゼント」なんだということを伝えましょう。

「午前中は、あなたがゆっくりしたから午後はわたしがゆっくりする時間」

と、言うように。
すこしでも、あなたの現実が楽になっていきますように。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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