男性は「自分感覚で動きたがる」
先日こんなご相談を受けました。
「うちの夫は家事が得意でもないのに、なぜか全部自分の思うようにやろうとするんです」と。
妻がどれだけ効率的な方法を教えようと、「こうやって欲しい」を伝えようとも、ちっとも聞き入れてくれない。そして、「ほら言わんこっちゃない!」というような失敗を繰り返していると。
たとえばゴミの分別。燃えるゴミの中にプラがちょこっと混じっていたり、きちんと洗ってない状態で食品プラスチックを捨ててしまっていたり。
玄関にちょっと出かける用のサンダルを出しておいて欲しいのに、全部靴箱にしまわれてしまったり。
テーブルを拭いてから掃除機をかけたらいいのに、掃除機がけをしてから思い出したようにテーブルを片付け始めたり。
妻としては、そうした姿を見ているとイライラもするし、もどかしい思いもするんだ、とのことでした。
それに対して夫の意見はこうでした。
「妻だって、ゴミの分別が完璧なわけでもない」
「サンダルだってしまってあった方が玄関がきれい」
「面倒でモチベーションが上がらない床掃除を先に終わらせたい」
お互い気を使いながらではありますが、それぞれに思うところがあるようです。
色々とお話を伺っていると、夫は全般的にこう思っていました。
- 自分のやり方は妻とは違うかも知れないが”間違って”はいない。(至らないところはお互い様)
- 自分の動けるタイミングがあって、そのときに動きたい。
- 上からアレコレと指示をされるのは、結構しんどい。
- 対等な関係を築きたいと思っている(決して自分が上に立ちたいとかではない)
この感覚って、じつは夫だけじゃなくて自分自身も思っていたりしませんか?
- 家事のやり方は、わたしの方が効率的な方法を知ってる。(まあ、おおむねは)
- わたしは前後の予定も考えてやってるし、そのリズムを崩さないで欲しい。
- いちいち「あれやって」「これまだ?」って言われるのはしんどい。
- わたしの言いなりになるんじゃなくて、対等な関係でシェアしていきたい。
じつは、このようにお互いが同じようなことを思っていたことって珍しくありません。
ただ少し視点が違うことで、すれ違っていたり、言うことを聞いてくれないとモヤモヤしてしまったりしてしまうんですよね。
家事の話は各論より課題の抽象化をしよう
少し余談になってしまいますが、夫婦でこうした家事についての話をするとき。
個々の問題について(玄関にサンダルを置きっぱなしにするかどうか、テーブルを先に拭いてから掃除機がけをするようにするかどうか)一つひとつルールを決めていくよりも先に、このように課題を抽象化することがオススメです。
個々に表れている小さな不満は、じつは枝葉だったりします。
そこには「上から目線で指示されるのが嫌」だったり「自分のリズムを大切に生活をしたい」というようなもう少し根本的な希望が隠されています。
そこを話し合ったうえで、細かなルールの話し合いをしていかないと、守れない小さなルールで溢れて、暮らしがどんどん不自由になってしまうかもしれません。
さて、このご夫婦の場合下記のことをルール化したそうです。
- お互いの動きたいタイミングを尊重し合うこと
- やり方はともかく、キレイになっていれば良しとすること
- 指示を出すのではなくて、提案という形でお互いが意見を伝え合うこと
細かな課題について、ルールを定めていくよりもずっと本質的な話し合いの土台ができたのではないでしょうか。
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