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家事をした夫を「褒める」のはやめた方がいい。というおはなし。

家族・人間関係

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2021.09.19

家事シェア研究家の三木智有です。夫がとにかく家のことに対して無頓着で困っていて、「どう教育すればいいの!?」なんて読者も多いかもしれません。今回は夫が家事をするようになるコツをお伝えしていきます。

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何度言っても自発的に動いてくれない、何回頼んでも同じような失敗を繰り返す。そんな夫の姿に苛立ち「旦那を教育せねば」と鼻息を荒くすることもあるかもしれません。

ぼくのところには、そんな鼻息を荒くしたママさんが「どうすれば、旦那を上手に教育できますか!?」とよく聞きにやってきます。

でもね。

「旦那を教育する」と鼻息を荒くしていると、夫が自発的に家庭のことに取り組んでくれるようになる変化をうながすのはちょっと難しい。
夫もいい大人ですから「教育してやろう」「言うとおりに動いてくれるように上手にコントロールしよう」なんて気持ちはすぐに感じてしまいます。

たとえば、その夫が「俺の役割は稼いでくることだから、稼いでいない方が家のことはするべき」だなんて前時代的な意識をお持ちであるなら、なおのこと「教育してやろう」を感じたとたんに反発するでしょう。

夫婦喧嘩出典:stock.adobe.com

そもそも「教育される」なんて、思うのも思われるのもおもしろくありません。

たくさんの話を聞いているので「旦那を教育する」というのは「夫とのフェアなパートナーシップへの絶望」が形を変えたものであるというのも伝わってきます。

それでも、やはり「相手が不愉快に思うアプローチ」が、お互いにとっていい結果を生み出すことになるとも思えないのです。

「旦那はやっぱり褒めて伸ばす」?

「旦那を教育する」と言うと、どんな方法を思い浮かべるでしょうか。

まず思い浮かぶのは「褒める」ですよね。
その他だと「家事のやり方を教えてあげる」などでしょうか。
この2つがセットになっているケースが最も多いかもしれません。いわく「家事を教えて、できたら褒める」。

教えて褒める、まさに「教育」のイメージそのものです。そこには明確な主従関係があり、上下関係がはっきりしています。当然、教えて褒めるのは上の人間ということになります。

これを、もう少し対等に「夫婦をチーム化させる」という意識に変えるとどうなるでしょうか。
まずは「褒める」というコミュニケーションについてから。

褒める出典:stock.adobe.com

褒めるというのは、どうしても評価になりがちです。
「上手にできたね」「言ったとおりにできたね」と、相手を評価するアプローチとなります。もちろん、最初のうちはそれでもいいのです。
できなかったことができるようになる、教えてくれた人に評価してもらう、というのは嬉しいものです。次へのモチベーションにもつながるでしょう

ただ、「褒める」というコミュニケーションはわりとすぐに限界がきます。
たかがゴミ捨てをしただけで、毎日毎日夫を褒め続けるのは至難の業です。褒められる方も少しずつ馬鹿にされている感じがするでしょう。

褒めるとは、その人にとって少し高いハードルを乗り越えた時に嬉しくなるコミュニケーションなのです。
この「褒める」を評価じゃなく、上手に感謝を伝えるコミュニケーションにするにはどうしたらいいか。それは「喜ぶ」へと意識を変えることです。

喜ぶ出典:stock.adobe.com

「褒める」が相手の行動への言葉なのに対し、「喜ぶ」とは自分の感情の表現です。

料理を作ってくれている、ゴミを捨ててくれている、洗濯を畳んでくれている。そういったときに、それをしてくれたことが、どれだけ助かったか、嬉しかったか、その喜びを伝えてあげてください。

人は、褒められるよりも、喜んでもらったほうが嬉しいものだと思うのです。
ちょっとしたその意識の変化が、夫婦のコミュニケーションを変えていくのです。

家事は教えるんじゃない、引き継ぐか委ねるか

家事を任せる出典:stock.adobe.com

そして「教える」。もちろん、できないことは教えてあげないことにはどうしようもないのですが。
そこに上下関係が芽生えると、「教えられたこと以外を自分で考えようとしない」なんてことになりがちです。

大事なのは、権限移譲。

夫に家事の権限を委ねるのです。
同僚に自分の業務を引き継ぐようなイメージです。自分が気をつけている部分や、大事にしたいポイントは伝えますが、基本的なやり方は担当者に委ねます。

じつは、これが結構勇気がいることです。そして、これができないから「教育する」という方法に行きがちでもあるのです。
この引き継ぎにも、色々とコツはあるのですが。
いずれにせよ、「対等でありたい」と思うのであれば、こちらも「対等な接し方」をする必要があることは、間違いありません。

教育する、コントロールする、上手に動かす、なんて具合にマウントを取るような気持ちは相手にちゃんと伝わります。

そうすると夫も「家事は女の仕事」「稼いでない方が家のことはやるべき」「俺が育った家では違った」なんてマウントを取り返すような態度に拍車がかかる。そんなループから、脱出したいのであればコミュニケーションを対等にしていくことが、最初のスタートになると思うのです。

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