イカリソースの特徴って?
ウスターソースを掘り下げるに当たって、多大なるご協力をいただいているのが、大阪に本社があるイカリソース株式会社(注意!リンク先で愉快な?音が鳴ります)企画開発部のみなさんです。
スーパーには数社のウスターソースが並んでいますが、イカリウスターソースの他社にはない特徴は「酸味とスパイス感が強く、昔ながらのスパイスの芳醇な味わい」と、子育て世代には特に嬉しい「アレルゲン28品目や食品添加物の使用なし」という点です。2021年に創業125年を迎えた信頼のメーカーイカリソースの自慢は、ソースやドレッシングなどの調味料だけではなく、以前はカレーやなめ茸の瓶詰や缶詰など、さまざまな食品を開発されてきたため、そこで培われた技術が現在の製品にも生かされているようです。もしかすると、芳醇なスパイス感は、カレーを研究された成果の表れなのかもしれませんね。
社員オススメ「ウスターソースの使い方」
早速、イカリソース株式会社企画開発部に、お話を伺いました。
ーーイカリソース社員さんたちのオススメの使い方は?
イカリソース株式会社企画開発部:相性がいいのはフライ物で、特にアジフライは男女ともに人気ですね。年配の社員は何にでも使っている様で、カレーや炒飯にかけたり、冷やしトマトや卵かけご飯、豚まんなど色々な使い方をしているようです。中には、ごはんにウスターソースをかけて食べる、戦後の阪急百貨店の「ソーライス」を真似たり、そこにバターをそえてアレンジして楽しむ者もおります。
ーースパイスと酸味で、確かに揚げ物がすっきりと味わえます。それに油分ゼロで塩分が少ないので、年配の方で食事に制限がある方にも安心ですね。ソーライスの逸話についてはあらゆるところで熱心に語られていますが、当時の阪急百貨店の大食堂で使われていたウスターソースもイカリソースだったのですか?
イカリソース株式会社企画開発部:こちらは今、調査中です(笑)。連載が終わるまでにはお伝えできればと思います。
老舗洋食店シェフに聞くウスターソースの極意
次にお話をお聞きしたのは、老舗洋食店パインズハートの二代目シェフ大下最弘さん。洋食の魂とも言える「デミグラスソース」の隠し味にウスターソースをお使いです。
ーーデミグラスソースの最終段階にウスターソースを投入されると伺いましたが。
大下さん:先代からのレシピ通りに5~6日間かけてデミグラスソースを作るのですが、最後に味を調える役目としてウスターソースを使います。ウスターソース自体の味は感じない程度ですが、スパイスと酸味が欲しいときに、うまくデミグラスソースの味をまとめてくれるんです。
ーー大下さんのお店のテーブルには、ウスターソースはありませんが、お客さんの中にウスターソースをリクエストされる人がおられると聞きました。
大下さん:年配の男性、特に70歳を過ぎると多くの方が魚介のフライにウスターソースをリクエストされますので、もちろんお出しします。人気の自家製タルタルソースを添えて出してはいますが、ご自身のお好みでおいしく味わっていただけるのが一番ですしね。それに学生時代、学食にあったウスターソースには随分お世話になったので(笑)そのおいしさは十分承知しています。ご飯にも合いますしね。
ルウなしでカンタン!クイックハヤシライス
イカリソース株式会社企画開発部のみなさんとパインズハートの大下さんから「冷やしトマトにウスターソース」「デミグラスソースの仕上げにウスターソース」というお話を伺い、思いついたアイデアがルウなしでできる「クイックハヤシライス」です。
材料(4人分):
牛肉または豚肉…300~400グラム
トマト缶またはトマト…合計600~800グラム
玉ねぎ…1~2個
にんじん…2分の1本
きのこ類…ひとつかみ(なくてもOK)
サラダ油…大さじ2
砂糖…大さじ2
小麦粉…大さじ2
塩、コショウ…少々
水…400ml
調味料A:ウスターソース…80ml、固形スープの素…1~2個、砂糖…大さじ1~2
肉の準備
玉ねぎは適当に(笑)薄切りにして大きめの中華鍋や焦げ付きにくい大き目のお鍋で炒めます。
玉ねぎクイック!
少しクタッとなった玉ねぎに、ビニール袋の中からお肉を投入して共に炒めます。
薄切りにしたにんじんもここで入れると失敗がありません。
このあと、赤または白ワインや日本酒などを入れて引き続き肉と玉ねぎを炒めてもですが、どちらも無ければ次へ……。(写真ではにんじんを入れ忘れています!)
お水、調味料Aを加えて、沸騰するのを待ちます。あ、ご飯は炊けていますか?(笑)私はここまで作って「しまった!」ということが、頻繁にあります……。
10分ほど経ったら、味を見て、コクやスパイスを足したいならウスターソース、酸味を控えたいなら砂糖、何となく全体に味がぼやけているなら塩か固形スープを砕いて入れて整えます。もちろん、全てを足しても大丈夫。
そして最後にきのこを入れて1~2分ほどでできあがり!
材料を切り始めてから25分で完成!
玉ねぎの甘さやトマトの酸味にウスターソースのスパイスが絡むと、とても複雑で手の込んだ味わいになりますが、ルウのように脂の重さがないので、食欲がない時でもあっさりとおいしくいただけます。テーブルにウスターソースを出して「ちょい足しOK」と促し、家族で味変を楽しむのもいいですね。
イカリソース株式会社の企画開発部のみなさんと昭和洋食パインズハートの大下さんの「プロのお話」をヒントに、今回は「クイックハヤシライス」をご紹介しました。
次回は、「栄養バランス満点! プロのアイデアに学ぶ そのまんまで美味!ピーマン肉詰め」をご紹介します。