あなたの味覚「デブ味覚」になってない?
コロナ禍の外出自粛生活のせいで、体重が増えてしまったという人も多いですよね。そんな悩みが、今回お話を伺った歯科医師の宮本日出(ひずる)先生の元へも届いていました。
「患者さんから、『口腔のしくみを利用したダイエット法はないですかね?』と言われたのが、『レモン水うがい』の始まりです。そこで、さまざまな論文を読み込み、肥満の人が持つある傾向に気がつきました。それが『デブ味覚』です」(宮本先生)
「デブ味覚」とは、苦味・酸味・塩見・甘味という基本味覚に加え、脂肪味にも鈍感になっている状態のこと。
「薄味では満足できず、濃い味を食べ続ける事で、どんどん味覚が鈍り、さらに濃いもの、脂っこいものを好み、ますます太っていくという、負のループに陥ります。なので、この『デブ味覚』を元の健康的な味覚に戻すことができたら……と考えて生まれたのが『レモン水うがい』なんです」(宮本先生)
テイクアウト、冷凍食品をよく食べてる、洋食中心の食事、朝食抜きの生活をしているなら、危険サイン。そのまま続けていると、あっという間に「デブ味覚」になってしまうそうです。無理なくやせるために、通常の味覚を取り戻すことが効果的なんです。
10日間で、味覚をリセットできる!?
では、なぜ味覚をリセットするのに「レモン水うがい」が効果的なのでしょうか?
「食欲を抑えるためには、『苦味』を感じる機能を取り戻す必要があります」(宮本医師)
なぜなら、人間のメカニズムとして苦味を感じられれば、甘みを感じる機能が弱くなり、食欲が抑制できるようになる、と宮本先生はおっしゃいます。
「苦味の信号が脳に送られると、味覚が根本から変わります。そのため、食の好みも変化し、健康的な食事で満足できるというわけなんです」(宮本先生)
だから今、「苦いものは嫌い」「長年の好みを今更変えられない」「私には多分できなさそう」と不安に思っていても問題ありません。なぜなら、脳の意識から丸ごと変わるんですから!
「そのために、効果的なのが『レモン水うがい』です。レモンには唾液分泌を促すだけでなく、味蕾細胞の働きを回復させ、苦みを感じる通常の味覚に戻してくれる働きがあるんです」(宮本先生)
舌に存在する味蕾細胞は、わずか10日で生まれ変わっています。だから、だれでも10日間『レモン水うがい』をすれば、簡単に「デブ味覚」から「ヤセ味覚」に変われる、というわけなんです。
用意するもの基本は「レモン果汁」と「水」
そんな「レモン水うがい」をするために、まず以下のものを用意しましょう。「食事の5分前」が、うがいをするベストなタイミングです。
【用意するもの】
- 水(常温)
- レモン果汁(還元レモン果汁100%)
- 計量カップ
- 計量スプーン
【レモン水の作り方】
- コップに水(常温)を100ml入れる。
- レモン果汁5mlを加える。
- よく混ぜる。
味覚リセット!レモン水うがいのやり方
- レモン水を約1/3(30ミリリットル)口に含み、舌全体に広がるように舌を動かします。
- 唇を閉じて、両頬を素早く動かしながら、約5秒間「ぶくぶくうがい」をします。
- 頭を後ろに倒し、口を少し開けて、約5秒間「がらがらうがい」をし、終わったら吐き出します。
「『レモン水うがい』を続けると、我慢しなくても食欲が抑えられ、健康的に痩せることができ、正常な味覚のおかげで、リバウンドしにくい体になります。さらに、味蕾は年齢に関係なく何歳になっても生まれ変わっているので、いくつになっても『レモン水うがい』の改善効果を実感することができるんですよ」(宮本先生)
レモン水うがい7つのポイント
「レモン水うがい」をするにあたり、押さえておくべきポイントは下記7つ。しっかり意識してみてください。
- 市販の果汁100%のレモン果汁を使用する!
- レシピ通りにレモン水を作る
- レモン水を下の奥にしっかり広げる
- うがいの5分後をめやすに食事を始める
- 食後はフッ素入りの歯磨き粉で歯を磨く
- 口の中の汚れをきれいにしたいときはレモン水を使わない
- 間食の前にレモン水うがいをしない
そろそろスッキリ痩せたい、健康診断で指摘された……そんな方はぜひ試してみてくださいね。
教えてくれたのは:歯科医師 宮本日出(ひずる)先生
歯科医師、口腔外科評論家。幸町歯科口腔外科医院 院長。「ホンマでっか!?TV」をはじめ、テレビ・ラジオ出演多数。ネットメディアでも情報を発信し、話題の歯科医師として幅広く活躍中。著書に『レモン水うがいダイエット』(あさ出版)がある。