かつお節はタンパク質の宝庫!
かつお節は、煮る、いぶす、乾かす、といった製造工程においてタンパク質が3~4倍に凝縮されます。かつお節に含まれるタンパク質は100g当たり約70~80gと、なんと牛肉の3倍(※五訂増補日本食品標準成分表より)に当たります。しかも、100g当たりの脂質は3gと低脂質。高たんぱく・低脂質で現代人のニーズにあっていることに加え、からだに大切な栄養素が手軽に取れる、優れた食品といえます。
また、江戸時代にはすでに食事から健康を保つという考え方が根付いていたと言われており、かつお節は『甘微温』(=かんびおん:おいしく、やや体を温める)とされ、今でいう『滋養強壮、栄養補強にかつお節』といった内容で記されていました。かつお節は、昔から日本人の栄養補強に役立ってきたといえるでしょう。
味覚を正しく育てる
外食や加工食品などの塩気の強い料理に慣れると、習慣化しやすく、どうしても塩気の強い料理や濃い味に傾いてしまいます。うどんやラーメンの汁を飲んだり、ハムやソーセージを好んだり、おやつにスナック菓子を食べたり、現代の子どもは、「濃い味だからおいしい」といった単調な味覚に慣れてきてしまっているそうです。
そんな「濃い味」に慣れた味覚を改善するには、かつお節のうま味を生かした「だし」を使ってみましょう。
かつおだしを使った料理は、味付けが薄くても素材本来のおいしさがわかるようになる上、健康にもいいという利点ばかりです。
かつお節は、繊細な味付けや風味のわかる味覚を育てる「食育」にも役立つ食材なのです。
かつおだしは減塩に効果的
塩分控えめの料理は、薄味で物足りないイメージがあるかもしれません。でも「かつおだし」を濃くするとうま味が強くなるので、塩味を引き立て料理全体の味わいをしっかり感じ、舌が満足することがわかっています。また、かつお節の独特の香りの作用により、料理のおいしさがアップします。
このように、調理に使う塩分量を減らしても、「かつおだし」を活用することで、味覚と嗅覚で満足感が得られるため、風味が増しておいしく感じられるということです。
おいしさをキープする保存方法
世界一硬い食べ物といわれるかつお節。一般的に、かつお節とは塊の状態を指し、かつお節を削ったものは「削り節」といいます。削る前のかつお節は保存食で冷暗所の保管で大丈夫ですが、いったん削ると酸化が始まり、品質が劣化していきます。そのため、スーパーなどで売られている削り節は、参加を防ぐためにパッケージに窒素ガス充填包装などの技術が用いられています。
かつお節や削り節は、湿気と酸化に弱いという弱点があります。そこで、家庭でかつお節(削り節)のパッケージを開封したら、なるべく早く使い切ることが大切です。もし一度に使いきれなかった場合は、酸化しないようにできるだけ空気を抜いて、冷蔵庫で保存しましょう。1回分ずつジップ袋に分けて密閉し、冷凍庫で保存するのもおすすめです。
かつお節の保存法
<塊のかつお節>
冷暗所で保管。
<削り節>
開封したらなるべく早く使い切る。
使いきれない場合は、空気を抜いて冷蔵庫で保存。
小分けにし冷凍保存も可能。
味覚を育てたり、減塩効果があるだけでなく、タンパク質も取れるだし。おいしい和食に欠かせないかつお節を活用してみましょう!
取材協力:ヤマキ株式会社
創業以来100年に渡り、「かつお節」や「だし」の価値やおいしさを広めるための取り組みを続けている。花かつお、かつおパック、だしの素、めんつゆ、割烹白だし、鍋つゆなどの商品を販売する。
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