成績を上げるために、とにかく長時間勉強させる……はNG!
ここでは、お子さんを塾に通わせている親が陥りがちな失敗例を取り上げます。
もし、あなたのお子さんが「長時間、一生懸命勉強しているのに、成績が上がらない」「復習テストはいいのに、総合テストになるとイマイチ」という状況なら、親であるあなたのやり方が間違っているのかも!
「親の中には、とにかく長時間勉強させれば成績が上がると考えている人がたくさんいます。でも勉強量と成績の伸びは必ずしも比例しません」(西村先生)
子どもが塾から帰ってきたら、すぐに復習として類題を家で何度も復習させています! と自信満々に答える親も多いのではないでしょうか。でもこの行為が、まさかわが子の理解度を下げているなんて……。
「こういう時の子どもたちの解き方を見ると、ほとんど問題文を読んでなく、あいまいな記憶に基づいた解き方をしています。これが続くと、問題の本質を捉える力が伸びないため、しばらくは覚えていても、やがて忘れてしまい、思うように学力が向上しないのです」(西村先生)
親がよく言ってしまいがちな「何度も解きなさい」は、幻想でした……。子どもにとってベストは復習法は、塾から帰ったら、頭の中ですぐに今日の授業の再現をすることなんだそう。問題文、ノートの書き込み、先生からの説明を思い出し、子ども自身がどのように納得したのかを思い返すことで、問題の本質を捉え、理解することができるようになるとおっしゃいます。
子どもからの質問、わからないからとはぐらかすのはNG!
親なら誰もが、子どものために立派な親になりたい、お手本になるような人間になりたい、と一度は思うもの。特に真面目な人ほど、完璧な親を目指しプレッシャーを感じでいるのではないでしょうか。
「そんな親になんかなる必要はないと、私は声を大にして言いたい。今、子どもに『なぜ?』と質問されて、残念ながらその答えを知らないとしましょう。そんなとき、あなたならどう答えますか?」(西村先生)
理想的な答えは……
「どうしてなんだろうね。よく気がついたね。私も知らないわ。今度一緒に調べてみようね」なんだそうです。
「大切なのは豊富な知識ではなく、『学びたい』という親自身の姿勢を子供に見せることです。そんな知的好奇心に溢れた親の背中を真似しながら、子どもは成長していきます」(西村先生)
西村さんは、今まで多くの家庭で、親の成長と子どもの成長が同じように伸びていく様子を実際に見てきたとおっしゃいます。
子どもを伸ばしたいなら、まずは親である自分が成長することが、家庭教育の第一歩。子どもに勉強させようと、口うるさくするのは、今日でもう終わりにしましょう。子どもに本を読ませたいなら、まずは自分が読書を楽しんでみる。など、子どもと一緒に成長できる親を目指して行動するのが、子どもを伸ばす1番の近道です。
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教えてくれたのは:「伝説の家庭教師」西村則康さん
40年以上中学・高校受験指導の現場で活躍し、延べ2,500人以上を超有名中学に合格させ、伝説の家庭教師と呼ばれる。現在は日本初の「塾ソムリエ」としてメディアにも多数登場。最新著書『わが子が勉強するようになる方法』(アスコム)が、新たな中学受験のバイブルになると話題に。