失敗したはずのアイスがおいしかったことが商品化につながる
――「チョコバッキー」は どのように生まれたのでしょうか?
チョコバッキーは2018年3月に販売開始の商品だと思われていますが、2005年に「パリッと巻きチョコバー」としてデビューした商品です。実は「チョコバッキー」はリニューアル商品なんです。
――すでに前身となる商品があったのですね!
そうなんです。2005年にチョコバッキーの前身となるアイスが開発された際、当初はチョコレートが均一な層になってアイスに入ることを目指していました。でもチョコが均一にうまく入らず、このプロジェクトは失敗だと思われていたんです。
しかしながら、担当者がその失敗したアイスを改めて試食してみたところ、「均一にチョコが入っておらず、不規則な形でチョコが入っていることがおいしい!」ということに気づいたんです。これはかえって面白いのではないかという現場の提案が通り、発売されることになった商品が「パリッと巻きチョコバー」です。
――実は失敗作だったのですね。「パリッと巻きチョコバー」は当時から人気はありましたか?
現在では日本国内にはおよそ600店舗を数えていますが、その当時はシャトレーゼの店舗もそんなにありませんでした。その中でも「パリッと巻きチョコバー」は安くて美味しいということから、小さなお子様を持ったお母さんなどにも人気で売れ筋の商品でした。
すでに人気のある商品ならば、特に手を加えることなくそのまま販売を続けても良いところなのですが、「この商品の良さをもっとしっかりと知ってもらえば、さらに大きな舞台で勝負できるチャンスがあるはずだ!」と戦略の見直しをすることになりました。
「チョコバッキー」は実はリニューアル商品だったのですね。またリニューアル前の「パリッと巻きチョコバー」が人気があったにも関わらず、さらに上を目指したという、興味深いお話を伺うことができました。次回、そのリニューアルについてさらに詳しくお話しを伺います。
お話を伺ったのは……株式会社シャトレーゼ広報室室長 中島史郎さん
東京で広報・広告宣伝の経験を積んだ後、2013年より山梨県に移住し、株式会社シャトレーゼに勤務。
ブランド戦略、マーケティング、商品企画部門の統括を経て、現在、他社を圧倒する商品力をバックに戦略的広報活動を展開している。