お小遣いからお金の使い方を教える
子どもがある程度大きくなったら考えたいのが「お小遣い」です。
お手伝いをしたり、テストでいい点をとったりしたらお小遣いを与えるという人も見られます。
どのような形であれ、お小遣いとして自分のお金を手にすることで、子どもはお金を使う機会を得ることができます。
その際に気をつけてほしいのは、「なくなったからといって小遣いを安易に追加しないこと」です。
最近では親世代でもキャッシュレス決済が増えてきたこともあり、子どもの小遣いも電子マネーの送金で済ませるという親も増えてきました。
それにより、子どもも電子マネーが足りなくなると、親にSNSで「小遣いを送金してほしい」と頼むようなケースが増えています。
「足りなくなったらもらえばいい」と子どもが安易に考えてしまうような小遣いの渡し方はNG。子どもがお金の使い方を学べるような小遣いの渡し方を考えましょう。
将来の夢や希望の話をする
「何にお金を使いたい」という価値観は、人それぞれ違うものです。
車や家や家電といったモノにお金を使いたいという人もいれば、旅行や勉強など体験や経験にお金を使いたいという人もいますし、友人との交際費だけは譲れないという人もいます。
価値観の多様性に触れたうえで、うちはここにお金を使いたいと思っているという意識の共有をすることが大切です。
親がどのようなことに興味関心を持ち、価値を置いているかを知ることは、子どもにとってもよい勉強になるはずです。
お金の教育と言うと「貯金」にばかり視点がいきがちなのですが、「何にお金を使いたいのか」を家族で考えることは、親自身のお金の使い方を見直すきっかけにもつながります。
お金の使い方に失敗してきたと思うのであれば、失敗談を子どもに話してあげるのもよいでしょう。
貧しさを感じさせることと我慢させることの違いを学ばせる
お金のついて子どもに教えていると、今ある収入にたいして使えるお金に限度があることや、時には欲しいものを我慢しなくてはならないことに子どもも気づくようになります。
しかし、欲しいものを我慢させているばかりでは、子どもが貧しさを感じるようになる可能性もあります。
親自身がお金に困っている場合もありますが、今なぜお金を使うことを我慢しているのか、将来の見通しとともにぜひ話してあげてください。
今は返済があるため我慢が必要だが、将来返済を終えたあとの生活のために今頑張っている、将来お子さんが留学するための費用を貯めるために今は我慢が必要など、将来のための我慢であることを説明すると、子どもは未来に希望を持つことができます。
できるだけお金の使い方に希望や楽しみが持てるような話題作りを、お子さんとの間では心がけてほしいものです。
実は少しずつ始まっている子どもへのお金教育
経済、投資、運用といったお金の話は、大人も敬遠しがちな話題ですので、苦手な人は無理をする必要はありません。
簡単にできるお金の話題から少しずつ話題を広げながら、お子さんに伝えたいお金の話を教えていきましょう。
なお、私自身、3人の子どもを持つ親でもありますが、これまで家庭まかせだった子どものお金教育が「学校」という場で少しずつ始まってきているのを感じています。
娘の中学校の教科書でも、私たち親世代では「昔はお金についてこんな風に教わったことはなかった」と感じるような内容が少しずつ盛り込まれている様子が見られます。
また、2022年度からは、高校の社会・家庭科の授業に「資産形成」の内容が導入されることになっています。
もちろん、今すぐ子どものお金教育を教科書まかせにすることはできませんが、子ども達が教科書でお金について学ぶ機会が増えれば、反対に私たち親世代が子どもにお金について教わる日がくるのもそう遠くないかもしれませんね。