今回教えてくれたのは、本多美預子先生
大手前大学 健康栄養学部 栄養学専攻 准教授。日本栄養改善学会、日本食育学会、日本健康教育学会などに所属し、行動科学に基づく栄養教育法、生涯を通じた食育を専門に研究。
備蓄用食料の賞味期限を確認しよう
備蓄用食料の賞味期限は3年、5年、ものによっては10年など長期間保存できるものが中心になりますが、水、食料など種類によって賞味期限が異なるので把握できていない人も多いのではないでしょうか。
備蓄用食料を食べなかったということは、災害が来なかった証拠であるので、嬉しいことではありますが、賞味期限切れの食料を無駄にしてしまっては、「フードロス」の観点でみると、残念なことです。
賞味期限切れの食料ばかりだといざ災害が起こったときに食料がなくて困ることになってしまいます。防災の日のタイミングなどで改めて自宅の備蓄用食料の量と賞味期限を確認しましょう。
賞味期限が近ければ、料理に活用!
備蓄用食料の確認をして、賞味期限の近いものがあれば、新しいものと入れ替える必要があります。そして、賞味期限が近い備蓄用食料を普段の食事に活用してしまえば、無駄が出ません。そこで、備蓄用食料がごちそうになる意外な活用レシピをご紹介します。
備蓄の代表格「乾パン」がミルクリゾットに!
乾パンはパンを乾燥させたもの。パン粥は離乳食でも定番メニューです。生後9か月以降であれば、ごまが入ってる乾パンでもOK。コンソメの優しい味付けで子どももパクパク。大人なら黒こしょうを効かせて、おいしく食べられます。
材料(1人分)
- 乾パン 10個
- 牛乳 150cc
- スライスチーズ 1枚
- コンソメ顆粒 小さじ1
- 黒コショウとパセリ 適量
作り方
- 耐熱容器に牛乳を入れ、軽くラップでふたをし600Wの電子レンジで1分30秒加熱します。
- 1に乾パンとコンソメ顆粒を入れ、少し乾パンがふやけたらフォークでざっくりとつぶし、チーズをのせ、再び600Wの電子レンジで1分加熱します。
- 黒コショウとパセリをのせて完成。
【おいしく作るコツ】
ブロッコリーや玉ねぎなど余った野菜を入れるとよりリゾット感が増しておいしくなります。
お水やお湯があれば炊ける「アルファ米」がパエリアに!
アルファ米は吸水が早いので、味がしみ込みやすく調理時間短縮になります。忙しいときのお助けメニューとしても活用できそう!
材料(1人分)
- ミートソース缶 100g
- アルファ米 50g
- ブリッコリー 30g
- あさり(水煮缶)10粒
- 水 100cc
作り方
- ブロッコリーは、ラップに包み600Wの電子レンジで20秒加熱し、小さめに切っておきます。
- 鍋にミートソースとアルファ米を入れ、弱めの中火で炒めます。
- 2の水気がなくなってきたらあさりと水を入れ、さらに弱めの中火で水気を飛ばしましょう。
- 3に1をのせて完成。
【おいしく作るコツ】
まず、水ではなくミートソースを米に吸水させること。
忘れがちな栄養補給にも向けて!
備蓄を「十分にできている」と思っていても、栄養補助食品や野菜ジュースなどの「健康を維持するため」の飲食物までは備蓄できていないのではないでしょうか。
おなかを膨らませることに気を取られがちですが、長い避難生活にはバランスのよい食事が欠かせません。備蓄用食料を見直すときは栄養の観点も持つようにしましょう。
ミートソース缶やあさり缶の備蓄もおすすめ!
ミートソース缶にはたまねぎやにんじん、トマトなどの野菜とたんぱく質源である肉が詰まっていて、あさり缶は、現代人が不足しやすい鉄の補給に優れています。日常使いしているものでいいので、常温で日持ちするものを用意しておくのがおすすめです!
備蓄用食料の賞味期限を頻繁に確認することはないかもしれませんが、防災の日を機に全部チェックしてみましょう。そして、古いものは新しい食料との入れ替えを忘れずに。入れ替えた後は、無駄なく料理して、おいしくいただいちゃいましょう!