今回教えてくれるのは……新生暁子さん
管理栄養士、博士(スポーツ健康科学)、日本スポーツ協会 公認スポーツ栄養士。シドニーオリンピック金メダリスト高橋尚子 さん率いる『チームQ』にて栄養・調理担当。炭酸水の活用法がまとまった最新書籍『飲み方、使い方をちょっと変えるだけ 炭酸水 最強の活用法』(アスコム)が話題。
意外とキッチンで大活躍の炭酸水
シュワッとはじける爽快感がたまらない炭酸水。お酒を割るときに使ったりするのがポピュラーですが、甘みやカロリーが少なく満腹感が得られるということからそのまま飲むのも大人気です。
炭酸水は、水に炭酸ガス(二酸化炭素)を注入したものです。水に溶け込んだ炭酸ガスが気泡となって、あの独特のシュワシュワ感になります。この気泡が調理するときにちょっとしたポイントになるそうです。また、二酸化炭素は水に溶けると弱酸性になります。弱酸性の炭酸水によって、食べ物が柔らかくなる効果も。
炭酸水を上手に使って、調理テクニックのバリエーションを増やしてみましょう。
その1.炭酸水で古米が立つ
古米を炊くときに、水の代わりに炭酸水を使うだけで全く違う炊き上がりに仕上がります。炭酸の泡が シュワシュワと激しくたたないように静かに注ぎ、炭酸水を注ぎ、お米を研ぐときもガスが抜けないように注意しましょう。
気泡が米1粒1粒を立ち上がらせ、まんべんなく熱を伝えてくれます。
その2.塊り肉の煮込みも炭酸水で時短に
お肉は「酸性・弱酸性」の作用により、繊維が分解されるため、弱酸性である炭酸水に漬け込んだり、炭酸水で煮込むことで、お肉が柔らかに仕上がります。
最初に炭酸水に10分間お肉を漬け込み、ある程度柔らかくなった塊り肉を、他の野菜などの具材とともに鍋に入れ、炭酸水で煮込めば、より短時間で柔らかくなります。じっくりと加熱して2時間かかる料理も30分程度でできあがり、時短になります。
その3.魚の「におい」と「ぬめり」解消
生魚を調理する前に、炭酸水で洗うと炭酸ガスの気泡によって、魚の表面の脂を取り除き、ぬめりと独特の生臭さを取ることができます。
ボウルに入れた魚介類が浸かるくらいまで炭酸水を入れ、軽くかき混ぜるだけ。 酸性のにおいと魚臭さを消してくれます。
その4.天ぷらの衣がサクサクに
天ぷらの衣を作るときに冷水を使いますが、その水を炭酸水に代えるだけ! 炭酸ガスは、高温の油で揚げると、一気に気化します。それと同時に衣に含まれた水分も一緒に蒸発するので、サクサクの食感に。
その5.ふんわり柔らかなホットケーキ
ホットケーキを焼くときに牛乳の半量を炭酸水に替えてみましょう。炭酸水に含まれる気泡によって生地に小さな穴がいたるところにでき、それを焼くとフワフワで軽い食感になります。 チヂミやお好み焼きなどの「粉もの」にも応用できますよ。
その6.ふわふわ卵料理が誰でもできる
卵焼きをはじめとした卵料理を作るときに少量の炭酸水をプラスすると、冷めてもふんわり柔らかい食感に。ふんわりとした弾力のある仕上がりになります。
【卵2個使ったオムレツの作り方】
ボウルに卵2個、牛乳大さじ1、塩コショウひとつまみ入れて味付け。炭酸水大さじ2杯程度入れて全体を混ぜ合わせたら、熱したフライパンに一気に流し込んで焼きあげましょう。簡単にふんわりオムレツの完成!
その7.ふっくら超ジューシーハンバーグ
ハンバーグの種に混ぜ込む牛乳や水を炭酸水に替えるだけでふっくらジューシーなハンバーグにしてくれます。炭酸水のパワーで、火をしっかり通してもハンバーグがぺちゃんこになることもありません。
その8.唐揚げもサクサク
唐揚げづくりの際に、事前にお肉を炭酸水に10分くらい冷蔵庫でつけ置きしておくことで、お肉が柔らかくなります。そのあとに、溶き卵、片栗粉、ブラックペッパーを混ぜて衣を作り、肉につける直前になったら、さらに大さじ1杯ほどの炭酸水を混ぜると、サクサクの衣に仕上がります。炭酸水はシュワシュワっとした爽快感を楽しむだけの飲み物ではなく、料理にも使えるアイテムなんです。いつものメニューが炭酸水のちょい足しで劇的な変化につながるかもしれません。まずはご紹介した8つのテクニックからお試しください!