介護が必要な親が一人暮らしの場合や、近くに住んでいない場合など、要介護度が上がると在宅介護サービスだけでは難しくなる場合も。そんな場合に考えたいのが、介護施設への入居。どんな施設があるのか、また選び方のポイントを解説します。
『図解とイラストでよくわかる 離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』(角川SSCムック)
監修:池田直子
価格:1,100円(税込)
どんな介護施設があるの?
よく「老人ホーム」とも呼ばれることも多い介護施設。種類が多いので、どう選べばいいかも迷ってしまいがちですが、運営主体によって大きく2つに分類されます。地方公共団体や社会福祉法人、医療法人が運営するのが「公的施設」、民間企業が運営するのが「民間施設」です。条件や希望に合った施設を選ぶことが大切です。今は在宅介護が可能な状態でも、将来的に施設の入居が必要になる場合もあるので、事前に情報収集をして備えておきましょう。
公的施設の種類
公的施設は、特別養護老人ホーム・ケアハウス(軽費老人ホームC型)・グループホームなどがあります。いずれも国の補助金を受けているので、民間施設より費用がかからないことがメリットの一つですが、空きがなく入居待ちの期間が長くなる場合も。
中でも要介護3以上の人が24時間体制で介護サービスが受けられる「特養」と呼ばれる特別養護老人ホームは、入居希望者が多いです。
ケアハウスは一般型と、介護型の2種類があり、入居対象が異なるので要確認。一般型は、家族からの支援や介護が受けられない自立から要介護2の60歳以上が入居対象です。一方介護型は、要介護1〜5の65歳以上が入居対象。専門スタッフによる介護サービスが受けられるため、入居後に介護度が高くなってしまった場合でも安心です。
民間施設の種類
民間施設は、介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などがあります。
特色のあるサービスや設備で快適に過ごせる施設が多いですが、初期費用をはじめ毎月かかる費用も公的施設に比べると高額になることも。自立から入居できる施設が多いですが、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のように、要介護度が高くなると外部サービスを利用する必要が出てくることもあるので入居前に確認しておきましょう。