シングルマザーの私を助けてくれたのは「絵本」だった。忙しいママこそ「絵本の読み聞かせ」が良い理由

家族・人間関係

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2021.11.16

女性も働く機会増えた現代。心や時間に余裕が無く、子どもと向き合う機会が少なくなっているママも多いのではないでしょうか。 今回は、絵本の読み聞かせ方を指導する一般財団法人「絵本未来 創造機構」代表理事の仲宗根さんに、忙しいママに知ってほしい「絵本の読み聞かせ」について、教えてもらいました。

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仲宗根 敦子

大手航空会社に勤務中、長男が2歳、次男が0歳のときに、警察官だった夫が殉職。その後フルタイム勤務のシングルマザーとして、子どもたちに接することができる短い時間の中で育児に悩み、息子たちに絵本の読み聞かせを始めたところ、子どもの変化と自身の精神安定のために、いかに絵本が良いかを実感。その内容を体系化し、1人で講座をスタートさせ2017年に協会設立。著書に『子どもの脳と心がぐんぐん育つ 絵本の読み方 選び方』(パイインターナショナル)がある。

「子どもの能力を伸ばしたい」「のびのびと育てたい」そんなふうに思うママは多いことでしょう。
そのために、子どもへの肯定的な言葉がけや、関わりが大切なことは、言うまでもありません。しかし、日々の生活は、家事や仕事に追われ、気持ちに余裕がなくなり、ついガミガミ叱ってばかり。なんとか子どもを寝かしつけ、ふと我に返ると、「こんなママでごめんね」と子どもの寝顔に謝ってばかり。多くのママが経験したことがあると思います。

もちろん、本心は心穏やかに笑顔で子どもに接したいはずです。
そんな忙しいママこそ、「絵本の読み聞かせ」が効く3つの理由についてお伝えしたいと思います。

シングルマザーの私を助けてくれた絵本の存在

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読み聞かせが効く1つ目の理由は、親子の絆を深めることができることです。

今から18年前、当時3歳と1歳の息子二人の子育て中に夫が亡くなりました。愛する人を失った悲しみの中でも子育ては待ってくれません。そして、現実問題として、子どもを育てていくために働く必要もありました。シングルマザーとして、フルタイムの仕事を持ちながらの日々は、子育てに十分な時間が取れないことに罪悪感でいっぱいでした。そんな中、親子の絆を深めてくれたのが「絵本の読み聞かせ」でした。読み聞かせは、家事をやりながらできないので、その分しっかりと子どもに向き合うことができます。平日はたった10分でしたが、子どもと繋がっている感覚をしっかり感じることができました。

1日10分でできる「ゆっくり読まない」読み聞かせ法

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読み聞かせが効く2つ目の理由は、ママが疲れず、楽に毎日続けられることです。読み聞かせが良いとは分かっていても、疲れて、夜一緒に寝落ちしてしまう。あるいは子どもが絵本に興味を示さないという声を多く聞きます。

実は、子どもが絵本に集中し、ママも毎日楽に続けられる方法があります。子どもの脳は、論理的に物事を認知する左脳よりも、感覚や感情で捉える右脳が優位です。ゆっくり理解させるように読み聞かせるよりも、普通の会話のスピードで読み進めてみてください。「子どもが集中して最後まで聞いてくれた」と多くのママから驚きの声をたくさん頂いています。

忙しくて見過ごしがちな子どもの変化、成長にも気づく方法

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読み聞かせが効く3つ目の理由は、大切な瞬間を親子で喜べることです。

子どもの成長はあっという間です。特に6歳頃までは、脳の神経回路のネットワークが爆発的に繋がる時期です。昨日できなかったことが、今日できるようになり、日々の子どもの成長に感動した経験は親なら誰でもあると思います。そして、成長著しい大切な時期だからこそ、少しの変化も見逃さず心に刻みたいですよね。絵本の読み聞かせを通して、子どもが主人公に共感し、優しい気持ちや、感動したことを伝えてくれます。子どもの心が育っていると感じることができます。

毎日の読み聞かせは、声色や抑揚をつけて読む必要もありません。子どもは大人と比にならない程、五感が敏感ですので、ママの自然な読み聞かせからも感受性を育んでいます。

ぜひ、毎日読み聞かせを続けてくださいね。

自信をなくしているママにこそ読み聞かせを勧める理由

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実は、読み聞かせは子どもだけでなく、ママにも効果があります。絵本は「ありがとう」「大好きだよ」「愛しているよ」「だいじょうぶだよ」など、たくさんの美しい言葉や優しい言葉が表現されています。読み聞かせをしているママも、その言葉を無意識に受け取ることができます。そして、子どもが読み聞かせを楽しんでいる姿を見ることによって、ママ自身も親子の繋がりを感じ、癒やされているのです。

実際に読み聞かせを始めて2週間くらい経った頃から「イライラや、ガミガミすることがなくなった」「穏やかに日々過ごせるようになった」という声を多く頂きます。絵本でポジティブな言葉がたくさん蓄積され、子どもが喜んでいる姿を見て、自分は役に立っているという感覚「自己有用感」が高まります。自己有用感は自己肯定感を高める一つの要因でもあります。

子育ては365日、24時間、休みがないといっても過言ではありません。それ以外にも家事や仕事、夫婦の関係性など、女性は多くの役割を持っています。それ故に、子どものための時間を十分に作れないことに罪悪感を感じ、自信を失ってしまいがちです。だからこそ、限られた時間でも、絆を深めることができる、絵本の読み聞かせを毎日の習慣にして欲しいと思います。

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