#コーヒーのある暮らし第5回目は「脂肪燃焼とコーヒーの関係について」です。コーヒーを飲んで痩せ体質になることはできるのか!?今回も、元バリスタライターが医学博士の豊田さんにお話を伺いました。
「コーヒーで脂肪が燃える」は本当?
コーヒーを飲むことで得られる減量効果を調べるために2021年に行われたスペインでの「運動時の脂肪燃焼効果に及ぼすカフェイン摂取の影響」の研究結果によると、コーヒーの摂取と減量に直接関連があると断言できる科学的根拠は、現状ではまだ証明されていません。しかしながら、コーヒーのもつ効能などから「理論上は脂肪燃焼に効果がある」と、今後の研究結果への期待が高まっています。
参考:Journal of the International Society of Sports Nutrition
また、コーヒーを飲むと運動による脂肪燃焼効果が底上げされると考えられています。運動を取り入れたダイエットでは、コーヒーを飲むことによる脂肪燃焼効果のアップが期待できるでしょう。
食べ過ぎ防止にコーヒーが効果あり
食事を終えてから身体が満腹感を感じるまでには、誰しも多少のタイムラグがあります。口寂しさを感じてしまうことで、「ついつい食べすぎてしまう」という方にもコーヒーがおすすめ。
食後に香りを楽しみながらコーヒーを飲むことで、満腹感を得るまでのタイムラグを埋め、コーヒーの風味が口直しとなってくれます。
「これ以上は食べない」という一区切りのサインにもなるため、食後にコーヒーを飲むことを習慣化することでだらだら食べ続けてしまう悪習慣を断ち切るきっかけになります。
また、ストレスを感じたときに食べ過ぎてしまったり、お腹が空いていなくても甘いものに手を出してしまったりするパターンもあるでしょう。そんな時も、香りをゆっくり嗅ぎながらコーヒーを飲むことでリラックス効果やストレス軽減効果が発揮され、無駄な過食を防ぐことができます。
カフェインとクロロゲン酸が脂肪燃焼に効果を発揮
「カフェイン」と「クロロゲン酸」2つの成分が同時に摂取でき、しかも豊富に含まれていることはコーヒーの持つ大きな特長です。これらは脂肪をエネルギーに変えるための促進効果が期待できます。
カフェインの効果
カフェインは交感神経を優位にする効果のある成分です。基礎代謝のアップ、体内にあるリパーゼという脂肪分解酵素を活性化させる力があり、脂肪がエネルギーとして活用されやすい状態を作り出します。リパーゼは遊離脂肪酸に分解されたあと血液中に放出され、それが筋肉に送り込まれることでエネルギーとして消費されます。
エネルギーが消費されるということは、脂肪が燃えてくれるということ。結果的に基礎代謝がアップし、脂肪が燃えやすい身体作りの手助けをしてくれます。
クロロゲン酸の効果
お茶にも含まれる“カテキン”と同様の働きをする成分が、コーヒーに含まれる“クロロゲン酸”です。肝臓での脂肪代謝を活発化する手助けをしてくれる効果があるため、コーヒーを飲む(クロロゲン酸を摂取する)ことで、結果的に脂肪が燃えやすい身体作りへとつながっていきます。
……次回のテーマは「コーヒーの効果を高める食べ合わせについて」。コーヒーと一緒に摂取すると良い食べ物、効果的に摂取できるタイミングなど、気になる内容について解説します。お楽しみに!