お話を伺ったのは……熱海康太さん
小学校教諭。小説の連載、講演、セミナー、動画制作なども行い、パラレルキャリアを形成している。著書に、『「明るさ」「おだやかさ」「自立心」が育つ 自己肯定感が高まる声かけ』(CCCメディアハウス)、『伝わり方が劇的に変わる! 6つの声を意識した声かけ50』(東洋館出版社)、『学校経営と授業で大切なことは、ふくろうのぬいぐるみが教えてくれた』(黎明書房)など。SNSでも情報発信中!
『今日から使える!宿題のもやもやスッキリ術 』
著者:熱海康太
価格:1,430円(税込)
出版社:実務教育出版
テーマが決まっても「自由研究」の伴奏は大変!
自由研究のテーマは見つかったものの、なかなか進まず、見守る親はモヤモヤ……。これは夏休みの親子によくある光景かもしれません。
自由研究には、ものごとを「調べる」という工程がありますが、子どもにとって「調べもの学習」のハードルはなかなか高いもの。
どんなふうに始めたらいいのかわからず、もしかしたら子ども自身も困っているのかもしれません。
今回は、自由研究でも向き合うことが多い「調べもの学習」のコツについて紹介します。
ポイント1:信頼できる情報を探す
熱海さんがまずおすすめするのが、図書館に行って本を探すこと。「図書館にあるような本や図鑑は、出版社が内容をチェックしているので信頼できる」とおっしゃいます。アナログな方法ではありますが、まずは図書館に行くように誘ってみましょう。
「図書館に行っても、どう探せばいいのかわからない」と子どもに言われたときは、親が代わりに探すのではなく、図書カウンターで相談するように誘導しましょう。本の専門知識を持っている司書と関わる経験を積むことができます。
また、人気の本は図書館では借りられないこともありますよね。そんなときは書店で本を探すこともいいでしょう。
ポイント2:複数の情報を調べる
最近はタブレット学習を導入する学校が増えています。タブレットやパソコン機器を使用して、自由にインターネット検索ができる子どもも多いかもしれません。
でも、たくさんの情報から正確な情報を取捨選択するのは、じつは大人でも大変な作業です。
「インターネットに載っている=正しい情報ではない」ということを、改めて子どもに伝えましょう。そして、インターネットで調べものをするときは、以下のポイントに気をつけることを併せて教えましょう。
複数のウェブサイトを確認する
1つのウェブサイトの内容を信じ切らないように、複数のウェブサイトを確認するように促しましょう。
情報源を確認する
情報を発信している人は、専門家や専門知識を持っている人かをチェックしましょう!
本の情報と比べてみる
インターネット検索で調べた情報と、本や図鑑の内容が一致しているときは、情報が正しい可能性が非常に高いです。
ポイント3:まわりの人の意見を聞く
本やインターネットを使って情報を集めたら、家族や友達に集めた情報を伝えて、どう思うか聞いてみましょう。
そのテーマについて詳しい人、たとえば博物館の学芸員と話したり、まわりの人たちに「◯○について知っていますか?」「○○はどう思いますか?」などとアンケートをとったりしてもOK!
集めた情報とまわりの意見をパズルのように組み合わせることで、その子ならではの結論が見えてきます。
熱海さんは、「人に会って話を聞くと、対話や思いが生まれるから、調べ物学習はより充実したものになる」とおっしゃっていますよ!
「SNSを使えばだれでも自由に情報を発信できるから、本当の情報もあれば、まちがった情報もある」と熱海さん。早い段階から情報の取得方法を身につけることは、子どもの今後にとってもプラスに作用していくはずです。
自由研究は、正しい情報収集の方法を子どもに教えるチャンスです。熱海さんのアドバイスを参考に、子どもに伝えていきたいですね。